火の鳥-未来編-
今回読んだのは「火の鳥-未来編-」。黎明編同様「マンガワン」で閲覧『西暦3404年・・・人類は25世紀を頂点として衰退期に入り、文明も芸術も進歩が少しずつ停止、人々は昔の生活や服装にばかり憧れを抱くようになり、すでに30世紀には文明は21世紀頃のレベルまで逆戻りしていた。地球人類は滅亡の淵にあり、他惑星に建設した植民地を放棄し、地上に人間はおろか生物は殆ど住めなくなっていた。人類は世界の5箇所に作った地下都市“永遠の都”ことメガロポリス「レングード」(レニングラード:ソ連)「ピンキング」(北京:中国)「ユーオーク」(ニューヨーク:アメリカ)「ルマルエーズ」(マルセイユ:フランス)「ヤマト」(大和:日本)に移り住み、超巨大コンピュータに自らの支配を委ねていたが、そのコンピュータも完璧な存在ではなく、コンピュータ同士で争いが起き、メガロポリス「ヤマト」と「レングード」の対立から核戦争が勃発した。しかし実際には、その核戦争と無関係であるはずの「ピンキング」,「ユーオーク」,「ルマルエーズ」まで超水爆で爆発し、地球上に5つあった全ての地下都市が消滅し、人類が滅亡してしまう。主人公・山之辺マサトの意識は体外離脱し、火の鳥により、宇宙の構造と、人類の滅亡が生命の歴史のリセットを目的として実行されたことを告げられ、生命を復活させ正しい道に導くために永遠の命を授かり・・・』というもの。「黎明編」の次に雑誌「COM」で1967年12月号 - 1968年9月号まで連載されていた作品。・コンピューターによる超管理社会(SF物の王道ですな)、核によって人類滅亡・・・と暗い世の中を描いてるけど、将来、何かしらの形で起こりうる世界だと考えると読んでいて怖い。(先見の明があるという意味で)・猿田博士はメガロポリスの外に研究所を設け、様々な生命を”培養”しており、宝塚にある「手塚治虫記念館」の常設展示のケースはこの人工生物培養カプセルがモチーフ。・仲間達が次々と放射能や寿命により死んでいく中、マサトは死ねない体のせいで孤独に耐えながら生きる羽目になるのだが、放射能だとかの理由で人類が滅亡し、最後の一人になってしまうのは嫌だなぁ・手塚治虫作品でおなじみの悪役キャラ・ロックが本作で登場。未来編のロックはマサトに辛く当たる嫌な奴として描かれてるが、実は戦争を嫌っており「嫌だ!!戦争だけはごめんだーっいくらハレルヤの命令でも・・こ・・これだけは・・・・これだけは!!」というセリフはコンピューターにすべてを委ねてしまう人間の愚かさを描き切ってる。(猿田博士の「なぜ機械のいうことなど聞いたのだ! なぜ人間が自分の頭で判断しなかった」というセリフも人間の愚かさを語っている)実はロックは構想のみ残された「大地編」にも登場する予定だったとか。・死ぬことを許されないマサトは慰め相手としてロボットと合成人間を作るが孤独は募るばかり。火の鳥のドSぶりは容赦ないなぁ・合成生物がだめなら生物の元となるものを海に流し、それを自然に進化するのを見守るしかないという答えを見つけたマサトは肉体が滅んでからも精神体として生き続けて生物の進化を見守ることに。生物の進化が意外な形で現れるのだが、それはナ○○○が異常進化したものだったが進化した挙句滅んでしまう。ナ○○○が進化して・・・という展開は意外な展開。ようやく人類が現れるがよーく見ると「黎明編」のシーンに移動。話がループしていることがわかるが未来編は黎明編の後に発表されたのにこの段階で話はループしているという発想はすごいと思う。【中古】その他コミック 火の鳥 未来編(角川書店版)(2) / 手塚治虫【送料無料】 火の鳥 オリジナル版 復刻大全集 2(未来編) / 手塚治虫 テヅカオサム 【コミック】【中古】 メトロポリス METROPOLIS /手塚治虫,大友克洋,りんたろう,名倉靖博(キャラクターデザイン、総作画監督),本多俊之,井元由香(ティマ),小林桂(ケン 【中古】afbあの有名映画と同名のコミックが原作のアニメ。本作にもロックが登場。声は歌手で役者の岡田浩暉。【中古】 バンパイヤ(文庫版)(1) 秋田文庫/手塚治虫(著者) 【中古】afb悪役としてのロックが初めて登場した作品。実写化され、あの水谷豊の実質的なデビュー作。【中古】afb_【単品】_ブッダ(1)(手塚治虫文庫全集)手塚治虫お釈迦さまの生涯を描いた漫画だが、実は「火の鳥-東洋編-」として企画された経緯を持ち、その名残として「火の鳥」の登場人物・猿田が教団の長老的存在となるカッサパ、ロックが若き日のビンビサーラ王、乱世編の義経がダイバダッタとして登場する