[今日のＣＤ]の記事一覧 | sinのプログレ試聴室

AVALON/Roxy Music

'82年発表のスタジオ作としてはラスト・アルバム。彼らの最高傑作と評される作品。1曲目の「More Than This」の入り方は、ゾクゾクする位のカッコ良さである。決して前には出てこないが、ポリ・シンセの使い方が実に効果的で、美しい。反面フェリー色が益々強くなり、バンドとしての必然性が薄れてきたとも言える。長い歴史と階級社会のイギリスでしか生まれ得ないサウンドである。

2005/12/27

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OMMADAWN/Mike Oldfield

'75年発表の3作目。デビュー作「チューブラ・ベルズ」が映画「エクソシスト」のサントラに使われ、一躍有名となる。バグ・パイプ以外の全ての楽器を一人で演奏し、多重録音で作り上げている。ベースはフォークと言おうか、トラッドの人である。前2作よりそのトラッド色が強く出た作品。初期3作の中では一番完成度が高いのではないか。「チューブラ・ベルズ」はもちろん素晴らしいが、あまりにも「エクソシスト」のイメージが強すぎてしまう。

2005/12/26

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IN BLUE/Klaus Schulze

'95年発表の2枚組み。ゲストにアシュ・ラ・テンペルの盟友、マニュエル・ゲッチングを迎えた作品である。CD2枚組みで全3曲、トータル157分を超える大作。各曲とも非常に静かな導入部から、段々と盛り上がる構成である。ゲッチングのギターは、この頃のテクノ的なノリではなく、あくまでシュルツ・サウンドにマッチした幽玄な響きである。

2005/12/22

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Concert Classics/UK

'99年発表のライブ盤。'78年のボストンでの公演で、メンバーはデビュー作と同じ4人。「Night After Night」はブラフォードとホールズワースが抜けた後のライブなので、本作はブラフォード・ファン、ホールズワース・ファンにはありがたい作品である。7曲中4曲が1枚目から、3曲が2枚目からという選曲である。2枚目の曲をこのメンバーで演奏していたというのは意外である。やはりUKの中心はウエットンとジョブソンで、ウエットンがジョブソンの才能（と容姿）に惚れ込んで組んだバンドなのだろうか。

2005/12/21

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Red Queen To Gryphon Three+Raindance/Gryphon

'74年発表の3枚目と'75年発表の4枚目の2in1CD。イエスの前座を務めた事で有名になったグループ。主要メンバーの2人は、英王立音楽院出身だそうである。「Red Queen ～」はインストゥルメンタルの4曲構成。木管楽器が印象的なヨーロッパ中世宮廷音楽風ロック。「Raindance」はボーカルも入った9曲で、前作よりロックっぽさが増している。初めて聴いた時は、随分ロックとかけ離れた印象があったが、改めて聴くと基本的なロックの編成+木管楽器であり、それ程奇抜ではない。もっとも先週「サード・イアー・バンド」を聴いたせいかもしれないが。

2005/12/20

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スラック/キング・クリムゾン

'95年発表の'90年代クリムゾン初のフル・アルバム。'80年代クリムゾンにTrey Gunn(Stick)Pat Mastelotto(percussions)の2人が加わりダブル・トリオとなり、重く、暴力的なサウンドが展開される。特に1曲目の「Vroom」はこの時期の彼らの象徴的な曲である。しかしこの時期の来日公演を観た身としては、改めて聴くと音の厚みが今ひとつに感じられる。ライブ盤の「B'ブーム」の方が魅力的である。

2005/12/16

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天と地、火と水/サード・イアー・バンド

'70年発表の2枚目。一応プログレ扱いされているバンドではあるが...。古代ギリシア哲学の四元素説が各曲名になっている。メンバーはGlen Sweeney(percussion) Paul Minns(oboe) Richard Coff(violin，viola)Ursula Smith(cello)と楽器編成も尋常でなければ、サウンドも尋常でない。中世ヨーロッパの呪術的雰囲気なサウンドは、他に例を見ない、という点ではプログレッシブである。

2005/12/15

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Moving Waves/FOCUS

'70年発表の2枚目。1曲目のヨーデル・ボーカルの「Hocus Pocus」で人気となった彼らだが、その魅力は決して際物ではない。バロックを感じさせるクラシカルなキーボードと、泣きのギターである。本作はLPではB面にあたる組曲「Eruption」が聴き所。曲作りは大半がキーボードのThijis Van Leerであるが、Jan Akkermanのギターが非常に魅力的であり、バンド・サウンドとして纏まりのある作品になっている。

2005/12/14

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Dark Side Of The Moon/Pink Floyd

'73年発表のアルバム。プログレのアルバムで最も売れたアルバムであり、ビルボード200位以内に15年間チャートインしたという怪物アルバムである。それまでのアルバムに比べ、シンセサイザー（英EMS社製VCS3）の導入により、プログレ的な部分が増したサウンドになっている。しかし彼らの場合、シンセの使い方はSE的な部分が大きい（VCS3というシンセの特性も理由かもしれないが）。日本語タイトルは「狂気」であるが、「おせっかい」といい、「原子心母」といい、当時の東芝の担当者のセンスは素晴らしい。

2005/12/13

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Phaedra/Tangerine Dream

'74年発表の5枚目、Virginに移籍しての1枚目。彼らのシンセサイザー・ミュージックが確立された1枚。この頃はまだオルガンやメロトロンも使用されている。特にメロトロンは和音を弾ける電子楽器として、音に厚みを付けるのに効果的に使われている。神秘的、宇宙的、幻想的と彼らの魅力が一番表れている作品である。'05年、一部当時の機材を使った再録音盤が出た。入手したらレビューします。

2005/12/12

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チェレステ/チェレステ

'76年発表の唯一作。イタリアの4人組であるが、皆本作以外での活動は無さそうである。サウンドはアコースティック+メロトロンであり、初期クリムゾンの静の部分をイタリアンにしたと言った感じである。日本では発売元がキングなので、比較的有名な一枚である。ProgArchivesでは「Italian Symphonic Prog」として載っているが、シンフォと言うには、素朴で優しいサウンドである。

2005/12/09

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スタンバイ/エルドン

'79年発表の7枚目。彼らと言うか、中心人物のRechard Pinhasが作り上げるクリムゾンのギター＋タンジェリン・ドリームのシンセサイザー（シーケンサー）のダークでヘビーな世界が完成された傑作である。曲数は3曲で、LPではA面を使った組曲「ボレロ」は傑作である。クリムゾン・フォロワーとして語られる事もあるが、確かにそのギター・サウンドはフィリップに影響を受けた物であるが、シンセと結びついたその暴力的な響きは、決して真似ではない彼ら独自のものである。

2005/12/08

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天使と小悪魔/ケイト・ブッシュ

'78年発表のデビュー作。彼女はこの時19歳。ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアに見出されたということでプログレの範疇で語られることが多いが、そのサウンドはオーソドックスなロックである。しかしハイトーン・ヴォイスを自在に操るボーカルは、それまでの女性シンガーと全く異なるものである。極めて演劇的であり、プログレッシブである。

2005/12/07

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レフュジー/レフュジー

'74年発表の唯一作。キース・エマーソンに逃げられたと言うか、見捨てられたリー・ジャクソンとブライアン・デヴィソンが、ナイスの夢を再びと結成したグループ。迎えたキーボードはスイス人のパトリック・モラーツである。しかしせっかく迎えたモラーツのこの後イエスに引き抜かれてしまう。曲作りはモラーツが中心であり、彼の華麗なプレイに満ち溢れている。当時のキーボード・ロックとしては非常に高い水準の作品である。モラーツのクラシカルなキーボードは後のリレイヤー、ソロ作風、リズム隊の2人が頑張る所はナイス風、ボーカルの入る所はモラーツのクラシカルなキーボードとあいまって、トリアンヴィラート風である。

2005/12/06

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ドゥルーリィ・レイン劇場のロバート・ワイアット/ロバート・ワイアット

'05年発表のライブ盤。'74年9月8日、前年の落下事故により下半身不随となった彼の復活コンサート。過去にブートが出たが、30余年を経てついに正規盤としてリリースされた。参加メンバーはDave Stewart(key)Hugh Hopper(b)Laurie Allan(dr)Fred Frith(g,vln)Mike Oldfield(g)Julie Tippett(vo)Gary Windo(sax)Mongezi Feza(trumpet)Nick Mason(dr)素晴らしい仲間に囲まれ、彼の美しくも哀しげなボーカルは寄り一層輝きを増している。カンタベリー・シーンのみならず、ロック界に大きな影響を与え続ける彼の歴史的ライブ盤である。よくぞ出てくれました。

2005/12/05

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FISH RISING/STEVE HILLAGE

'75年発表の初ソロ・アルバム。当時GONGのメンバーとして活躍していた彼が、GONGのメンバーと、カンタベリー人脈のデイヴ・スチュワート、リンゼイ・クーパーを迎えてレコーディングした作品。サイケデリックで浮遊感に溢れたギターは、GONGでの演奏はもちろん、Khanの頃から変わらない彼の持ち味である。この浮遊感が今日のSystem7での成功に繋がっているのだろうか。

2005/12/02

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ゼロ・セット/メビウス-プランク-ノイマイヤー

'82年発表。クラスターのディーター・メビウス、コニー・プランクにグルグルのドラマーのマニ・ノイマイヤーの3人による作品。ノイマイヤーの力強いドラムに、奇妙な電子音が被さる不思議なアルバムである。しかし難解なところはなく、非常に気持ちの良いアルバムである。テクノからも再評価され、'94年にイギリスにテクノ・チャートにチャート・インしたと言うのも頷ける。

2005/12/01

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FUTURE DAYS/Can

'73年発表の5枚目。カンの最高傑作と言われる作品。タイトル曲とLPではB面を使ったBell Air、共にダモ鈴木の内省的なボーカルが、呪術的な雰囲気を醸し出している。カンのボーカルは前任のマルコム・ムーニーといい、ダモ鈴木といい、なぜ怪しげな人を選ぶのだろうか。どうも音楽的な理由以上に、何か思想的なものを感じてしまう。

2005/11/30

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Faust+So Far/Faust

'71年の1枚目と'72年の2枚目の2in1CD。1枚目はわずか3曲、それも「曲」と言うよりは、サウンド・コラージュとも言いべき内容である。ロックとしては前衛的であるが、現代音楽としては当時としてもごく一般的な手法ではないだろうか。やはりジャーマン・ロックはシュトックハウゼンの影響が大きいのだろうか。2枚目は一転9曲が収められており、曲調も断片断片では判りやすいものである。しかし全体を通すと、何とも言えない不思議なものになっている。

2005/11/29

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Softs/SOFT MACHINE

'76年発表の9枚目。ゲストとして参加はしているものの、最後のオリジナル・メンバーであるマイク・ラトリッジが脱退してしまう。音楽性は前作のフージョン色は後退し、ジャズ・ロック然としている。各曲は丹念に作り上げられたものを、丁寧に演奏していると言う印象である。反面、ジャズらしいと言うか、以前の彼ららしい、楽器と楽器の真剣勝負の緊張感に欠ける気がする。

2005/11/28

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THE MIX/KRAFTWERK

'91年突然(?)発表されたリミックス・アルバム。渋谷の輸入レコード店で見つけた時は、また怪しげなブートかと思い手に取り、良く見たら正規盤なのでびっくりした記憶がある。リミックスとはいえ、大半が再レコーディングされたという話もある。もっとも彼らの場合、どこまで「演奏」しているかはよく判らないが。リミックスされて一層ストイックに削ぎ落とされた音は、まさにテクノ・ポップの元祖のリミックス盤に相応しい完成度である。

2005/11/25

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レッド/キング・クリムゾン

'74年発表の8作目。Line-up 3として3作目にして最終作である（後にライブ盤のUSAが出るが）。Line-up 3は「太陽と戦慄」が一番好きであるが、このアルバムは好き嫌いを超えた何かを感じる作品である。'80年代、'90年代そして'00年代とそれぞれクリムゾンが存在することはファンにとっては有難い事ではあるが、この「レッド」がクリムゾンの「遺作」と思うのは私だけではないだろう。ラストの「スターレス」の哀しさ、裏ジャケのレッド・ゾーンを指したメーターの針、全てを出し切り、消え行く姿がここにある。

2005/11/24

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Emerson Lake & Palmer/Emerson Lake & Palmer

'70年発表のデビュー・アルバム。THE NICE、KING CRIMSON、ATOMIC ROOSTERの3人で結成され、スーパー・グループとして期待された第1作目。後の「タルカス」、「悪の経典#9」のような大作が無いので忘れられがちだが、クラシック、ジャズ、ブルースはてはカントリーまでの音楽性を取り入れた、正にプログレッシブな作品である。プログレの中では解かりやすいサウンドの彼らだが、改めて聴くとこのデビュー作が一番プログレしているかもしれない。

2005/11/22

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Second out/Genesis

'77年発表の2枚組ライブ・アルバム。スティーブ・ハケット参加の最後のとなった作品である。ツアー・メンバーにビル・ブラッフォード、チェスター・トンプソンを迎え、フィル・コリンズをサポートしている。「サパース・レディ」、「眩惑のブロードウエイ」といったピーター・ガブリエル時代の代表作にも果敢に挑戦している。ガブリエル程の妖しさは無いが、声質の似たコリンズが、オリジナルを守ろうとしている姿勢が感じられる。LPだとD面に当たる3曲は、非常に力強い演奏で、チェスター・トンプソンとのツイン・ドラムを活かした素晴らしい物である。

2005/11/21

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ラダー/イエス

'99年発表の再結成第4弾。前作までの再結成アルバムよりは、全盛期のイエス・サウンドを感じさせる作品である。しかしヴォーカルの比重が高く、ギター、キーボード共印象に残るようなフレーズが無い。また9分を超える曲があるものの、組曲構成ではなく、変化に乏しい展開である。全曲メンバーの競作名義だが、昔ほどセッションを重ねて作っているのではないのだろう。初回限定盤には「I've Seen All Good People」と「And You And I」のライブが入った8cmCDが付いた。正直、これにつられて買いました。

2005/11/18

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フレンドシップ/アシュラ・テンペル

'00年発表の再結成アルバム。再結成と言っても、Klaus SchulzeとManuel Göttschingの2人での制作である。サウンド的にはSchulzeのアルバムにGöttschingが参加したと言うべきもので、'95年の「In Blue」と大差は無い。あえてアシュラ・テンペル名義にした訳は何なのだろう。

2005/11/17

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ヘイスティングの戦い/キャラバン

'95年発表の再結成第一弾。メンバーはPye Hastings(G,Vo)Richard Coughlan(Dr)Jim Leverton(B)Dave Sinclair(Key) Geoffrey Richardson(Viola)Jimmy Hastings(Flute,Sax)ベース以外は最盛期のメンバーでの復活である。しかしサウンド的には、Dave Sinclair、Geoffrey Richardsonがいる割には控えめである。ギター＆ヴォーカルのヘイスティング節満載と言ったところか。意味深なタイトルは、参加しなかったベースと関係があるのか？

2005/11/16

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妖精/ロカンダ・デッレ・ファーテ

'77年発表の1枚目。いわゆるイタリアン・シンフォに分類されるグループ。7人の大所帯で、ツイン・ギター、ツイン・キーボード。そう聞くと派手なサウンドと思うが、そうではなく、アンサンブル重視のオーソドックスな感じである。イタリアン・シンフォでは名盤と言われているが、シンフォが今一つ苦手な私には、演奏にしても、曲にしても、個性に乏しい気がしてしまう。

2005/11/15

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The Wilde Flowers/The Wilde Flowers

'94年発表の発掘音源アルバム。カンタベリー・シーンの原点とも言うべきバンドの'65～'69年の貴重な録音が収められている。曲は大半がHughとBrianのHopper兄弟が書いている。と言うとソフト・マーシン風かと思いきや、以外にキャラバン的と言うか、カンタベリー的な牧歌的雰囲気が既に感じられる。資料的価値に留まらない貴重な作品。

2005/11/11

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Pentanine/Gong

'05年(?)発表、Pierre Moerlen's Gongの最新作にして最終作。'02年にロシアのミュージシャンを起用して録音された作品。非常に洗練されたジャズ・ロックのアルバムに仕上がっている。反面、「Gazeuse」や「Expresso2」のような疾走感溢れるヴィブラフォンのプレイは見られない。Gongzillaに参加しなかった彼が求めていたサウンドなのだろうか。

2005/11/10

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DRACULA/P.F.M.

'05年発表の最新作。なんとロック・オペラである。オーケストラ、混声合唱を率いて非常にスケールの大きな作品に仕上がっており、久々に「プログレ」らしいアルバムと言える。特にインストゥルメンタルの1曲目は、「幻の映像」や「甦る世界」の頃を彷彿とさせる曲である。

2005/11/09

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ヴァイタル/ヴァン・ダー・グラフ

'78年発表の初ライブ盤。「ザ・クワイエット～」のメンバーに加え、キーボード奏者と元メンバーのDavid Jacksonがゲストで参加。曲は新旧、ハミルのソロ作など取り混ぜての演奏である。しかしキーボードはオルガンは使わず、全面には出てこない。「ザ・クワイエット～」同様Graham Smithのバイオリンがサウンド的には重要な位置を占めている。またハミルのエレキ・ギターがかなりハードに鳴り響く。初期のHugh BantonのオルガンとDavid Jacksonのサックスのサウンドに惹かれた身とすれば、ちょっと物足りない気がする。

2005/11/08

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RAINBOW RISING/RAINBOW

今日は趣向を変えてハード・ロック！'76年発表の2枚目。言わずと知れた元ディープ・パープルのギタリスト、リッチー・ブラックモアのグループである。メンバーは他にロニー・ジェイムス・ディオ(Vo)コージー・パウエル(Dr)トニー・カーレイ(Key)ジミー・ベイン(B)コージーのドラム、ロニーのボーカルはもちろん聴き所だが、プログレ・ファンとしては、トニーのシンセ・プレイも魅力である。「スターゲイザー」は名曲ですね。

2005/11/04

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ザ・クワイエット・ゾーン/ザ・プレジャー・ドーム/ヴァン・ダー・グラフ

'77年発表の8枚目。法的問題からグループ名をヴァン・ダー・グラフと改名しての第1弾である。LPのA面がザ・クワイエット・ゾーン・サイド、B面がザ・プレジャー・ドーム・サイドとなっている。キーボードのヒュー・バートンが脱退し、元STRING DRIVEN THINGのヴァイオン奏者のグラハム・スミスが加入している。あれだけサウンド的に大きな位置を占めていたキーボード奏者が脱退したら、別のキーボード奏者を探すと思うが、そこがヴァン・ダー・グラフの違うところである。やはり要はピーター・ハミルのボーカルということなのだろうか。

2005/11/02

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Three Friends/Gentle Giant

'72年発表の3枚目。前作に続き非常に内省的なサウンドである。シャルマン兄弟の学校時代の思い出をテーマにしたトータル・アルバムである。と言っても、歌詞がテーマであり、演奏内容はプログレにありがちな組曲風というわけではない。アメリカ・デビュー作であり、そのジャケットには、ファースト・アルバムのものが使われた。

2005/11/01

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Music from a round tower/Dirk Mont Campbell

'97年発表の唯一のソロ作。エッグ、ナショナル・ヘルスとカンタベリーを代表するグループにおいて、単なる演奏者としてだけでなく、コンポーザーとして重要な働きをした人。にも拘わらず、非常に地味な人。本作はそうした経歴は一切感じさせない、ワールド・ミュージックを材題とした作品である。非常に土着的な旋律が、クールな演奏で展開される。プロデュースは本人とデイヴ・スチュワート。

2005/10/31

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Cunning Stunts/CARAVAN

'75年発表の7枚目。この時のメンバーはPye Hastings(G)Richard Coughlan(D)Geofrey Richardson(Viola)Mike Wedgewood(B)Dave Sinclair(Key)LPではA面とB面でかなり雰囲気が異なる。A面は現在のキャラバンにも通じるHastings中心のサウンド。B面はSinclairのペンによる組曲。キャラバンのアルバムでは一番セールスが良かったらしいが、ファンの間でも好みが別れる作品ではないか。ジャケットは偶然にも2日続けてヒプノシス。

2005/10/28

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FIVE BRIDGES/THE NICE

'70年発表の4枚目。タイトル曲「五つの橋」はLPのA面を使ったオーケストラとの共演ライブ。NICEにしてもEL&Pにしても、よく「ロックとクラシックの融合」と言われるが、それほど「融合」しているとは思えない。本作でもオーケストラとバンドが代わる代わる演奏している以上には感じられない。演奏面ではキャラバンの「Caravan & New Symphonia」が、手法面ではモント・キャンベルによるEggの作品がより「融合」していると思う。ジャケットはヒプノシス。

2005/10/27

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そっくりモグラ/マッチング・モウル

'72年発表の1枚目。ソフト・マシーンを抜けたロバート・ワイアットが結成したバンド。メンバーは他にデイヴ・シンクレア(Key)ビル・マコーミック(B)フィル・ミラー(G)だんだんとジャズ色が強くなっていったソフト・マシーンから抜け、彼の持ち味であるポップであり、かつサイケな感じが良く出たアルバムである。グループ名は「SOFT MACHINE」のフランス語「MACHINE MOLE」から付けられた。

2005/10/26

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Murales/art&mestieri

'00年発表の復活第1弾。昔と比べるとやけに洗練された音である。しかしフリオ・キリコの手数の多いドラミングは健在である。バイオリンもちゃんと入っているし、イタリアン・ジャズロックの大御所の完全復活である。デビュー作「ティルト」の名曲「重力9.81」の再演が泣かせる。

2005/10/25

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スティル・ライフ/スティル・ライフ

'71年発表の唯一作。怪しげなアルバムの多いヴァーティゴの中でも、謎の1枚。メンバーの経歴が、全く不明でこれ1枚のみという事で有名である。サウンドはプログレ感は薄く、オルガン・ロックと言った所。ヴォーカルがピーター・ハミルに似ており、ハモンド・サウンドと相俟って、アジテーション感の薄いV.D.G.G.のようである。紙ジャケCDを購入した時、国内盤のLPをディスク・ユニオンで売ったが、4,500円の値が付いた。

2005/10/21

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@shra Vol. 2/Ashra

'02年発表の日本公演ライブ盤第2弾。第1弾が公演の翌年の'98年に発表されているのに、随分間が空いたものである。ライナーによるとそもそも日本公演が実現したのも、ライブ盤が出たのも、東京タワー蝋人形館の館長である藤田元さんの尽力だそうである。東京タワー蝋人形館はトンデモナイ所で、一般的な偉人、有名人の他、フランク・ザッパ等のロック・スターの人形があるらしい。フランク・ザッパだけでもかなり（世間的には）マイナーなのに、さらにジャーマン・ロック蝋人形コーナーがあって、そこにはクラウス・シュルツ、マニュエル・ゲッチングの蝋人形があるそうな。ぜひ一度は尋ねたいものである。（@shra Vol. 2の話、全然書いてないじゃん．．．）

2005/10/19

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トリロジー/エマーソン、レイク＆パーマー

'72年発表の4枚目。「タルカス」、「恐怖の頭脳改革」の2枚に比べると今一つ人気の無い作品である。確かにEL&Pの持ち味であるスピード感や派手さに欠ける気はするが、決して悪い出来ではない。クラシカルな面が活かされた佳作である。キースの好きなアーロン・コープランドの曲をアレンジした「ホウダウン」は、ライブのオープニングの定番となる。これがカッコイイ！

2005/10/18

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フィールズ・グッド・トゥ・ミー/ビル・ブラッフォード

'77年発表の初リーダ・アルバム。メンバーはデイヴ・スチュワート(Key)アラン・ホールズワース(G)ジェフ・バーリン(B)アーネット・ピーコック(Vo)イエス、クリムゾン人脈ではなく、ジャズ・ロック人脈というか、カンタベリー人脈のメンバーである。内容もジャズ・ロック色が強く、後のブラッフォード、アースワークの流れの原点と言えるかもしれない。そう考えるとUKを1枚で抜けたのは必然のように思える。

2005/10/17

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Ricochet/Tangerine Dream

'75年発表のライブ・アルバム。ライブながら全編新曲であり、かつ当時のスタジオ作に劣らない演奏内容である。当時はまだ機材もそれほど進歩していないのに、ライブとは思えない充実した演奏である。ライブならではのドラム、ギターが随所に入っている。フェードラやルビコンの宇宙的なサウンドとは一味違った、ヴァージン時代の彼らの代表作である。

2005/10/14

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Hamburger Concerto/Focus

'74年発表の5枚目。彼らの最高傑作であり、おそらく一番売れたアルバムではないだろうか。20分を超えるタイトル曲は、6つのパートからなる組曲である。他の曲も含め、それまでの作品よりクラシカルな雰囲気が増している。全体的にミディアム・テンポの曲が多く、アッカーマンのギターはそれまでの作品より地味目と言える。

2005/10/13

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Six/ソフト・マーシン

'73年発表の6枚目。LPでは2枚組で、1枚目がライブ、2枚目がスタジオという変則的な内容。エルトン・ディーンが脱退し、元ニュークリアスのカール・ジェンキンスが加入。ますますジャズ色が強まっている。ジャズ色とはいえ、この頃はジャズ側がエレクトリックを取り入れ、ロック的になっていたので、それ程ゴリゴリのジャズという感じではない。スタジオ録音の「Chloe And The Pirates」は非常に進歩的なジャズ・ロックで、傑作の名に値する。

2005/10/12

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Keys To Ascension/YES

'96年発表のライブ+新作の2枚組。メンバーはJon Anderson(Vo)Chris Squire(B) Rick Wakeman(Key) Alan White(Dr) Steve Howe(G)個人的にはドラムはブラフォードの方が好きだが、まあ往年のベストメンバーである。曲もライブは往年の名曲揃いである。新作の2曲も9:50、19:14と気合の入ったものである。しかし'44年生まれのアンダーソンはこの時52歳である。全くと言っていいほど声が衰えていないのは立派である。続くKeys To Ascension 2と合わせて聴けば、20年後のYessongsと言っても良い出来である。

2005/10/11

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ミラノの映像/イ・プー

'72年発表の5枚目。ボーカルとオーケストラをフューチャーした美しいサウンドである。しかしイ・プーはプログレと呼べるのだろうか？多分イ・プー＝非イギリスのバンド＝ユーロ・ロック＜プログレのような公式でプログレ扱いされているのではないだろうか。彼らのサウンドは決してイタリア以外では生まれえない「カンツォーネ・ロック」とも呼ぶべきものである。プログレの中では極めて例外的に女性ファンが多いのも特徴である。なにしろプログレという言葉も知らないウチの奥さんが、結婚する前にイ・プーのアルバムを2枚も持っていたのだから。

2005/10/07

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フールズ・メイト/ピーター・ハミル

'71年発表のソロ第1作。ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターのポーン・ハーツと同時期の作品である。他のメンバーも全員参加しており、またロバート・フリップも参加している。VDGGの「動」に対して、「静」を感じさせる作品である。ではVDDGの「暗」に対して「明」かというと、やっぱり「暗」である。曲もこのソロのために新しく書き下ろしたものではないらしく、元々書き溜めていた曲らしい。ソロ作というよりは、VDGGのもう一つの側面と言えるかもしれない。

2005/10/06

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