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カテゴリ:アメリカ看護と看護教育
アメリカと日本を比べてみると、ナースの職場事情の違いはいくつかありますが、今日はその中のひとつを紹介します。 日本では病院に勤めるナースの中には正職員かパート、もしくはアルバイトとして勤める方がほとんどです。(よね?!)近年では派遣ナースもいるそうですが、まだまだ数としては少ないのでは? アメリカの私の働いている病院では、Full Time正職員、Part Time(パート)が中心ですが、人手がどうしても足りないときは違う病棟から助っ人がきたりします。(フロートという) そのほかにAgency Nurse(これが日本でいう派遣)、それからTraveling Nurseが多くいます。 Agency Nurseは人材派遣会社に登録して、人手が足りないという病院、病棟へ数か月の契約で渡り歩いているようです。 多くの人はひとつの病院の中で人手が足りない部署にまわされていくパターンが多いようで、どうせ、同じ病院で働くなら正職員でもいいんじゃないか?と思ったりするのですが、ベネフィット、給料の面で差がでてくるようです。ちょっと聞いたところによると、派遣さんは時給が私たちの倍ちかくあるそうです。ただ、保険などの福利厚生が良くないとか。。自分の事情にあわせて選らんだりしているようです。 彼女たちは経験もあって、実践力があるので、初日からオリエンテーションもほとんどなしにバリバリ働いてくれます。 そしてTraveling Nurseというのも、派遣のようなものだと思うのですが、これまた数ヶ月単位で(契約期間による)全米のいろんな土地から土地へ旅をして歩くナースのことを指します。今うちにいるRickという40代の男性ナースはN.Y.から。3ヶ月契約だったけれど、最近契約更新をしたみたいです。 新しくきたエレンは20代ナース。ノースキャロライナ出身ですが、彼が軍人さんでこの近くの基地勤務なので、追っかけてトラベルしているようです。 旅行好きのジプシーナースやエレンのような事情がある人には魅力的ですよね。 自分の職場に慣れて、気に入っている場合、旅ガラスになってリスキーなことをすることに戸惑いを感じるけれど、「あっ、ちょっとハワイに住みたいな!とかロス、N.Y.でCity Lifeを楽しみたいな」と思えばそういうのもありかもしれないなーと思ったり。。 アメリカでは基本的に退職願いは2週間前にだせば受理されるので、突然人がいなくなることが多いので、こういう制度がポピュラーなのだと思います。 私が働いていた大学病院では、すごく厳しくて、年度末(3月)にしか退職できませんでした。 友達なんて結婚して旦那さんの赴任地へついていくというのに、中途退職なんて許さないって言われて、すごくかわいそうだったもの。しかも3月にやめるなら、夏から言っておかなきゃいけなかった。(気も変わるっちゅうねん) そんな病院ばかりじゃないけれど、こういうところからもアメリカと日本の職場の倫理観とか責任感の大きな違いがみてとれますよね。 親しくしている日本時代の婦長さんはナースが辞めるたびに、「何が悪かったんだろう???」ってすごっく悩んでいらしたけれど、こっちでは、人それぞれ事情や好みがあるから、辞めたいならひきとめないという雰囲気。突然の退職も多いので、即戦力になるAgency Nurseのお世話になっているというわけです。 今うちの病棟をみて、ジプシーナースが二人。Agency Nurseは8人はいると思います。 入れ替わりが激しいです。そういった点では、いつも同じ人と働くということはなくてフレッシュかも。 一人のナースが受け持ち患者の全ての責任をもつというスタイルをとっているので、チームワークも必要じゃないのでできることだと思うし、一人、一人のナースの力を尊重して、信頼しているので、できることだと思います。 ただ、私が知っている中で、二人のAgency Nurseが患者さん家族とトラブって翌日から「来なくていい!!」となった経緯はありました。 ずっと長くいないとなると、その場限りをしのげばいいという風潮もあって、トラブルがおきやすくなるのかもしれませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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