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カテゴリ:大好きな人のはなし
私の母はガンです。
去年の11月くらいから足の痛みがひどくなり 近所のお医者さんに診てもらって 安静にしていても、痛みどめの薬を飲んでも全く良くならないので 大学病院で検査してもらうことにしました。 それでもすぐには原因が分からず 今年の初めにガンだと分かりました。 足だと思っていたらお尻の部分の骨に出来たガンで 分かったときにはすでに肺に何か所も転移がありました。
すぐにつらい抗がん剤の治療がはじまりました。 2週間~1ヶ月ほど入院して抗がん剤の治療をする、 その後1週間~10日間ほどの退院をする ということを繰り返しながら 1月から8月末まで入院生活を送りました。 8月の末に、先生からもう抗がん剤の効果がなくなってきているし 副作用の影響も強いので、母の体力も そろそろ限界かもしれないと言われた直後、 検査の結果で、一度は抗がん剤の治療のおかげで消えていた肺に 新たな転移が何か所も見つかり 治療をやめれば今後もどんどん増えていくであろうと 告げられました。 仮に治療を続けても、抗がん剤が効かなくなってきているので 効果があるかどうかは分からないと言われました。
母は7か月間よく頑張りました。 長かった抗がん剤治療は本当につらいものでした。 下痢や嘔吐、食欲不振は凄まじく、 母は治療が始まってすぐに15キロ以上も痩せました。 それだけでなく、欝のような状態になったり 幻覚を見たり、ひがみっぽくなったり 母が母でなくなってしまったようなときもありました。 体力的にも精神的にも 抗がん剤に母はとても苦しめられました。
母は治療に疲れ果てており、 もう治療も手術もしたくないというのが 母の強い希望でした。
母は即座に答えを出しました。
私は母に一日でも長く生きていてほしい。 でも、母の人生は母が決めること。
母は退院して自宅で緩和ケアをすることを選びました。 もう治療は一切しません。 痛みが増したら薬を増やしてもらう。 ガンがどんどん大きくなっても 転移がどんどん広がっていっても もう治療はしません。
退院して抗がん剤をやめた母は本当に元気になり 食欲も出て、顔色もとても良くなりました。 退院するとき、先生から、1~2カ月は元気で過ごせるだろうと 言われていました。 退院してこの2か月のあいだに、 母は週に2回ディサービスに通うようになり、 車椅子で私たちと一緒に外食や買い物に 行ったりするようになりました。 よく笑うようになり、毎日とても楽しく過ごしていました。
1~2か月がもっと長く、半年でも1年でももっともっと長くなって 母が元気でいられる時間が少しでも長くなりますように。 神様、奇跡が起きますように。 巣鴨のとげぬき地蔵に何度かお参りに行きました。 お地蔵さまを磨きながら、いつも涙が出そうになりました。
でも、でも・・現実は厳しくて残酷なものです。
退院から2か月を少し過ぎた今、 先生の言ったとおり、だんだんと母の具合は 悪くなってきてしまいました。 足のむくみや痛みもひどくなり 歩行器を使って歩くときも、なかなか次の足が踏み出すことができず 本当につらそうです。 肺にも転移があるため だんだん症状が出てきて 呼吸も苦しくなっていくそうです。
母はこれから良くなることもなく 回復することもありません。
どんどん動けなくなっていく母 苦しむ母を 私は見ていることしかできません。
どれだけ泣いても どれだけ願っても 現実は変わらない・・・
母の笑顔を私はあと何回見ることができるんだろう。 母と一緒に笑った時間を 母と過ごした時間を そんな時間を、そんな瞬間を思い出として振り返るように なってしまうときが来るのだろうか。 思い出でしか母に会えない日が 来てしまうのだろうか。
お母さん どうかお願いだから いなくならないで。
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Last updated
Nov 11, 2011 01:13:23 PM
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