ありがとう、お母さん。
この日記は2011年12月26日に書いたものです。なぜだか公開しないまま、ずっと下書きとして残していたのですが私は母の闘病のことや自分の気持ちなどをこのブログ以外に残しているものがないのでやっぱり大切な記録として残しておきたいと思い、今さらですが公開することにしました。 昨日、母の病院に行って帰るとき「お母さん、そろそろ帰るね」と言って帰る支度をしていると母が「どこかに出かけてくるの?」と聞きました。そんな母を一人病室に残して帰ってくるのがとても切なくて涙が出そうになりました。 母は最近、夢と現実がごちゃごちゃになってしまうことがとても多くなり夜中に暴れたり騒いだりして看護師さんたちに迷惑をかけてしまうことがあるようで、昨日から幻覚や幻聴などの症状を和らげる薬を飲むことになりました。精神安定剤のようなものなのでしょうか。 母は、ここのところ、いつも何かに脅えたり不安になったりしています。私が傍にいても、「今、ここに男の人がいたよね」とか「さっきから、ここをネズミがチョロチョロ歩いてるんだけど・・」とか言ってみたり落ち着いて寝ているなと思っていても突然飛び起きて「今、誰か呼んだでしょ」と言ったりします。誰にも触られていないのに、肩をトントン叩かれたとかそんなことばかり言っています。「大丈夫だよ、誰もいないし、私がいるから安心して寝てね」と言うと「そう?そうだね、そうだよね」と言って少しだけ眠りますがまたすぐに起きて、おかしなことを言い始めます。 私の家は祖父が亡くなるまで家で商売をしていました。私が小さい頃はとても忙しく、一日にいくつもの宴会や結婚式があり、父や母が徹夜同然で仕込みをしたりしていることがよくありました。母はその頃のことをよく夢にみるらしく寝ていたのに突然起き上がって「お客さんに間に合わない、早く用意しなくちゃ、どうしよう」と言って歩けないのに立ちあがって家に帰ろうとしたり、 夜中に兄に電話して「蟹を冷凍庫から出したかな、お赤飯は炊いたかなどうしよう、間に合わない」と言って、泣いていたりするそうです。 私に何か話してくれようとするのですが話し始めるとすぐに何を話したかったのか忘れてしまって「あぁ、何を話したかったんだっけ・・思い出せ、思い出せ」と一生懸命考えてくれるのですが、結局思い出せないことが自分でももどかしいようです。「薬を強くしたから、私はこんなにおかしくなっちゃったの?薬が効いて良くなれば大丈夫かな?」と母に聞かれて、「お母さんは大丈夫だよ。おかしくなんてなってないよ。」としか言ってあげることができませんでした。 母は自分なりに何かを思い出したりすることでしっかりしようと頑張ったり、自分が薬を飲んだ時間を震えるような字でノートに書き込んだりしています。 朦朧として、変なことを言っていても私が帰るんだと理解すると必ず「(バスの)時間に遅れないようにしてね」とか「気を付けて帰ってね、ありがとうね」とか言ってくれます。 どんなに子供みたいになってしまっても私のお母さんなんだなと思います。 お母さん、ありがとう。 にほんブログ村