慶次郎縁側日記、禁断の館殺人事件、堪忍箱、青函特急殺人ルート
慶次郎縁側日記北原亞以子鬼平犯科帳ちっくな話です。盗むほう、盗まれるほうにも言い分や歴史があってその人間関係を描きつつ、捕まえた後は人情味あふれる捌きをするって感じです。禁断の館殺人事件和久峻三弁護士が主役の話です。夫は警察官で家では妻や子を殴っています。ついに逃げ出した妻はある関西の財閥の家に住み込みで働くようになります。しかし夫に見つかってしまい、ある夜、襲われそうになってしまいます。恐怖のあまり出した植木バサミで夫を死なせてしまいます。正当防衛です。しかしいつの間にか警察によって冤罪で起訴されてしまいます。そんな彼女を救うために弁護士が奮闘する話です。弁護士側からってのが珍しいですが、なぜか警察の捜査が怠慢な上いい加減です。夫以外の後にももう一人死ぬのですがあっさり事故死にしてしまったりしてしまいますし。堪忍箱宮部みゆき8編の短編時代小説です。どれもこれもなんともいえない後味で終わる作品ばかりです。人間の心の微妙さを、難しさが感じられます。面白いかどうかは、かなり微妙ですが。青函特急殺人ルート西村京太郎無人のはずの青函トンネル内の駅で女性が殺された。その女性はものすごい資産家の娘だった。と思ったら彼女の婚約者までがホテルから転落死してしまう。そして今度は彼女の別荘が放火されてしまい、そこで焼死体が発見される。その焼死体を復元してみると青函トンネルで死んだ女性だった。一体どうなっているんでしょう?捜査の壁に当たった警部が「常識こそが一番強い、常識で理解できるよう一から考え直そう」と言って推理をやり直します。確かにこの話のトリックは絶対にありえないことはないと思いますけど、常識で片付けられるとはちょっと思えませんでしたよ、僕は。