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カテゴリ:本
海洋堂マニアックス
livedoor BOOKS 書評/ルポルタージュ この本の帯に「仕掛け人たちが初めて語る食玩ブーム倒壊の真実」となって いるので、この本を手にとってしまった。食玩そのものよりも、会社やそこ で働く人たち、そしてブームのような経済活動に関心があるからだ。 実は私はプラモデルこそ子どものときに作ったが、色を塗ったりデカール (シール)を貼ったりする子どもでなく、作り上げたこと自体に満足してし まい。作ったら、しばらく部屋に置いておき、そのうち壊れて母がごみ箱へ ぽいと捨ててしまう。あーいつの間にかなくなったなという程度だ。 その30年以上前から、デパートに行くと戦車のプラモデルを丁寧に作り、 色を塗り、地面や人物や複数の戦車を組み合わせて、小さなジオラマを作り 上げている人たちがいて、驚いたものである。 数年前に、コンビニで食玩が話題になった。 チョコエッグという商品は、薄い卵の殻のようなところがチョコレートに なっており、中におもちゃが入っている。他にも申し訳程度にガムが1枚だ け入っていて、おもちゃがある。どれも300円ぐらいする高いもので、お 菓子の原材料費は無視できるものだろう。実質おもちゃを売っているのだ が、販売ルートのため一応お菓子として売っているようなものだ。 そのおもちゃはグリコのおまけのような単純なものではなく、手の込んだも のだった。好きな人はコレクションをしたくなるだろう。こういったおも ちゃが好きな友人がおり、コンビニに一緒に行くと10個ぐらい一度に買う ことがあり驚いた。 この本はまさにその海洋堂という会社と、そこにいるカリスマ社員と彼らが 作った製品を深く抉り出している。カリスマ社員が海洋堂に入社したいきさ つ、考え方、そしてその作風が書かれているが、それぞれ個性があって異な る。この個性を会社としてどう活かしているかまではわからないが、そのカ リスマ社員が一人一人自分の名前で仕事しているのがまぶしい。そしてその 個性の鎧のパーツが、海洋堂という会社そのもののフィギュアとして構成し ている。 このサブカルチャーの世界を結晶にさせた一つのあだ花のような気もしない が、本を見ていると有名な建築家の写真集のように見えてくるから不思議 だ。この海洋堂というサブカルチャーの申し子について余すことなく書き 綴った、百貨大全お勧めである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.13 21:54:22
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