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カテゴリ:本
小さな愛の物語 スンホとリナ
書評/エンタメ・タレント 韓国から日本に留学してデザインの仕事をしている青年スンホと、おっとりとしている日本人のOLリナがつむいでいる愛の日記です。 スンホが日常気づいたことをマンガを描いて、同じテーマでリナがエッセイを書きます。その構成よりこの本は作られているのが新鮮です。 内容は、韓国人として日本を見る変なことやいいことを見ることもあれば、国際カップルとして感じる面白いこと大変なことも取り上げられています。でも結局は、スンホとリナという個性的な2人が描かれています。背伸びせずかたぐるしくないほのぼのとして素敵なカップルの愛を育む途中の面白い話なんだなと思います。
この本を読んでいると、私が妻と出会ったころや結婚間もないことを思い出しました。そして結婚前の付き合いの時期をこの本を読んで追体験させていただいた気がします。私と妻は独身時代にゆっくりと付き合うことなく結婚しているものですから。また私は日本人ですが妻がフィリピン人なので、国際カップルならではの勘違い話や経験も再発見しました。 私たち夫婦には当たり前のことでも、日本人どおしのカップルではありえないこともあるし、日本人どおしでは当たり前のことでも、国際カップルではありえないこともあるでしょうが。スンホは日本に留学してなんかをつかもうというだけあって、いろいろ意識をしています。一方のリナはのほほんと生きている、オンナの子。 ぼぉっとしているところや、話をしながら食事ができないところはADDのような気がします。ツッコミとボケのカップルなんですが、お互いが自然な存在で、お互いを必要としているのは素晴らしいなと思います。 スンホは日本語がかなりできると思うのですが、リナ以外の日本人がしゃべってもスンホが理解できないことがあります。またスンホが一生懸命しゃべろうとしていてもリナ以外の日本人に通じないことがあります。私の妻も他の日本人とはなかなか通じないのですが、なぜか妻の言いたいことが通じてしまうことがあります。二言三言いうだけで、何をいいたいか。後から何で通じてしまうんだろうと思います。たんに長い間一緒にいるからでしょうか。 2人の付き合いを見て、結婚前に付き合うということはこんなことなんだなと、想像してしまいました。私は女性に奥手でして、結婚を前提に付き合うということが妻以外になかったものですから、結婚前にこうやって愛を育むのかと思ってしまいました。 ゆっくりとお互いに空気のような存在にしていく。そしてお互いになくてはならないように、わだかまりをひとつずつ潰していくような。微笑ましくうらやましい時期なんだな。その期間が私たちには短かっただけにうらやましいなと思いました。
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Last updated
2008.03.17 07:57:50
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