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カテゴリ:本
図書館で本を眺めていたら、この本が目に飛び込んできた。カブールって、アフガニスタンの首都じゃん。そしてこの写真はイスラムの女性たち。 カブールって、本とは全く違う世界で、奇妙な取り合わせだな。 世界を放浪していたときに、本を読みたかった。特にコンピューター関連の情報に飢えていたので、新しい国に行くと本を探した。言葉がちがっても手に取った覚えがある。 中国ではApple IIの海賊版マニュアルが中国語で出版されていた。インドではPrologの本が売っていた。トルコでは何もなかった。そのときその国の文化は雑誌の質と量によるのではと思った。 香港は政治や経済紙は多かったがほかの分野の本は英語のものしか見なかった。20年前の中国はまだまだ政府の刊行物ばかり、他の国はどこも発展がまだまだで雑誌はほとんどなかった。 アフガニスタンは最貧国の一つで、パキスタンやイランの奥地でそれらの国に比べれば発展に取り残されている。さらに追い打ちをかけるように、ソ連の侵略から内戦に巻き込まれている。 日本の国からはここ10年ぐらい報道の興味がなくなったのか、音沙汰のない国である。
私もパキスタンのクエッタやイランの東部にいるときに、アフガニスタンからの難民と出会ったことがある。お互いに言葉が通じなかったので挨拶程度でおわった。風貌がパキスタンやイランとまた異なっていた印象がある。それがパシュトイン人かタジク人かもわからない。 明らかにパキスタンと違って、肌が白く、髪が赤っぽかった。目も茶色か青色。 またイランでは、風貌が日本人そっくりだけれど目が青かったので、びっくりした。アフガニスタンからではないけれど、自分のことを"Chin(中国人?)"というけれど、中国語がまったく話せない人にもあった。 シルクロードというけれど、すごいまじりあっている強烈な印象を受けた。
そんなシルクロードの通り道、カブールでの本屋を営む家族の話を小説にしたものだ。著者は本屋というアフガニスタンで稀有なビジネスをしている人と知り合って、その生活に入って取材することができた、稀有な女性である。 イスラム社会では男ではどうしても男しか知りあうことができない。 トルコで出会った日本人の女性は、女だから、トルコの女性と親しくなれて、いろいろなことを知ることができたと言っていた。トルコ語を自習して日常会話ができるようになっていたので、イスタンブール大学の学生寮で働く掃除のおばさんといろいろな話をしていたのを聞かせてくれた。
著者は普通の旅行者以上に、一緒に生活をして、長い時間をかけて親しくなった。 「カブールの本屋」はよく取材がされており、読みやすい本ではある。 ただ彼らのことを本当に理解したかどうかということには疑問が残る。
妻と出会うきっかけは、単なる旅行者から一歩先へ進んで、フィリピン人のことを知りたい親しくなっていろいろなことを経験したいというのであった。 それが自分の生活を巻き込んで結婚するまで至ったのは、日本人としては予想外のできごと。彼らにとっては出会いは本気だし、その後の生活を左右するものであった。私の単純な動機とは身構えが違っていた。 それからも日本とフィリピンの文化の違いに当惑して、いまもってフィリピンのことをすべて知ったということにはならない。きっと私自身が根っからのフィリピン人でないので、すべて理解できないのではないかとも思える。
読んでいる最中は、自分が知っているイスラムの男になりきって読んだ。 私たちから見ると女性蔑視のところが多いだろう。女性には同情するが、男だって兵士として戦うことがあるので、命がどうなるかわかったものじゃない。 いいか悪いかを別にして彼らはイスラム社会なんだから。 私たちだって生まれながら自分たちの慣習になれて、それに疑問を持たず当然だと思っていることがある。 「どうしてみんなと同じように学校へ行って、会社勤めをして、生きていくのか?」 それを順守すれば普通の生活が送れるし、それからはみ出せば...
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Last updated
2008.04.15 08:06:06
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