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カテゴリ:本
産声が消えていく へびぱく先生、読みましたよ!!! 自分が産婦人科医になったように感じで読めるほど、 帝王切開も正常分娩の内容もとてもリアルで、緊張感がありました。 たぶん、先生がお勤めだった徳州会病院は産婦人科がいつの間にかなくなっていたので、事実を織り交ぜながら一般的なことを小説にされたのだと思います。 現状抱える医療問題は、高度化する医療、高齢化、モンスターペイシェントなどいろいろな問題が絡み合っているんだと思います。 解決策が見えないところで戦い挑んでいる「絶滅危惧種」の先生はドン・キホーテのようです。 最後の場面で訴訟となりますが、私は安易に敗訴へ導くのはどうかなと思いました。 訴訟で敗訴した時は、医療保険から支払われますが、敗訴すればするほど医療保険の掛け金は高くなり、結果として医者の収入や病院の収入が減ることになります。 でもそうすれば、最終的に医療費に跳ね返る可能性があります。 医療法人も民間企業と違って効率的とは言えないところがあると思いますが、県や市町村の役所と同じくなくてはならないものです。却ってコストが高くなるのはどうかと思いました。最終的にそのコストは誰が支払うのでしょうか? 医者がリスクを冒して一生懸命にやればやるほど、自分の首を絞めてしまうという悪いスパイラルは、一度止めてよいスパイラルに戻さないといけない。でもどうすればいいかわからない。 医者だけでなく、社会問題なんだと思います。 でもそれと同じ話はビジネスの世界も同じようにあります。 顧客のためによかれとやったことが、悪い結果になったり、顧客から「なんでそんな余計なことをするんだ」と反発をうけることもあります。 これを解決する方法の一つはお互いに歩み寄ること。お互いの仕事の内容を知り、お互いの人間性を尊重することです。それでも感情的なこともあれば、人間としての限界があります。 個人的なことですが、私が中学生のときにNHK特集で「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」という番組があり、その主人公のお医者さんが徳州会の医師だったことで覚えています。創業者の徳田寅雄さんは、苦労して大阪大学医学部を卒業されたとのこと。 そのNHK特集は話題となり、本が出版され、映画にもなりました。 私は心を打たれて医学部進学を目指しました。 毎日のように病院へ寄り道をしたり、医学書などを読んで事故で変な向きに折れ曲がった足の写真などを見て慣れるようにしました。 ただ地元の名古屋大学や名古屋市立大学の入学試験にパスする学力が身につかず(数学と物理・化学だけができて、他ができない)、また他の能力の可能性にかけて医学部進学を断念しました。 その後何度か医学部へ入りなおそうかと思っていましたが、妻にも「また変なこと考えているでしょ」と言われました。子育てを終わったら行こうかなとも思いましたが、、、 先生の本を読んでみると、体力がないとたとえ国試にパスしても続きませんね。 (10年間の学費・生活費を賄うのも課題ですけれど) だけど主人公が鬱状態にある描写を見ていたら、私は鬱状態なのかもしれないなと思う。 家族と周りを支えてくれている人たちのおかげで、どうにか生きてこれました。 昨年はどん底で今年は楽になったけれど、こんな時間に起きていますから。まだよく眠れません。 素敵な本をありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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