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2007.08.21
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カテゴリ:BLEACH
イチルキ小説またまた続きです。
嫌な方はお気をつけください。






「ま、それはどうでもいいけど
今、そこにころがっているヤツは
一体何者だ?コイツ?」

「この神社の神主の子息だ。
先程までこの祭りを取り仕切っていた。
それまでは特に変わった様子はなかった
ので、油断してしまった。
彼には小者ぐらいなら祓える力があると
見受けたのでまさかとり憑かれていようとは
思わなかったのだ。」

「へぇ、おまえにしちゃ
えらく褒めるじゃねぇか?
オレにはボロクソにいうくせに?」

「別に褒めてなどおらぬ。
実際にプラスを祓っているところを
見たのだ。」

「まあ、いいさ。どうでも!
とにかくさっきのコイツの
その様子からして尋常じゃなかったし
何かに憑かれてたとかいうほうが
ありえる話だとは思うが
まさかこんなちっこい犬っころみたいなヤツに
憑かれてたからあんな風だったとか
言うんじゃねぇだろうな?
どう見たってコイツに
あんな馬鹿力があるようには
到底おもえねぇけど。」

「だから、見た目で判断するな
と言っているではないか!
たとえ小さくともあなどれぬ力を
持ったものもいるのだ。
たちの悪いものはたとえムジナと言えど
侮れば命を落とす事にもなりかなねんぞ!」

「そうだな。
確かに小こくっても侮れんヤツもいるよな。
オマエみたいに。」

「なっ!誰が小さいだと?!」

「私はムジナじゃありませんってば!
かつて私ははこの社(やしろ)の
主様(ぬしさま)の
一の使いとあがめられた
事もあるのですから!
ムジナなどという下等な生き物と一緒にしないで下さい!」

「そのムジナとかいう
訳のわからん生き物が
上等か下等かどうか知らねぇが
たとえキツネだろうが何だろうが
人に取付いて悪さするようなヤツが
上等っていえるか!?」

「それは…。」

「まあ、そうだな。
他者を下等よばわりするわりには
おまえ、その者に取付いてかなり
『上等』な悪さをしていたのではないのか?
おまえを封じようとして
力およばず寝込んでしまった
ここの神主殿からおまえの悪行の数々は
だいたい聞かされている。
何時、しっぽを捕まえてやろうかと
思っていたのだが…。
まあ、祭りの最中はおとなしくしていたの
だけは殊勝な事だった。」

「…確かに、お言葉どうりです。
その昔私は、この神社いちの御使いとしてあがめられ
おごり高ぶっておりました。
それゆえ、当時この神社の神職であった者に
式として使われることになってしまった。

御使いと呼ばれることはもう二度と出来ぬ程の
行いをたくさんしてきました。

とうとうその咎めはこの身に返えり
私を使っていた神職より力の強いものによって
私は呪返しを受けたのです。
以来ずっと自分が何者であったかも忘れ
まるで化け物のようになってしまいました。

本当はこのように穢れた私が
主様の御神域にいることも
許されぬ事。

しかし、
昔、この神社の神職であった者が
私を式として使うため繋いだた鎖に囚われて
未だにそれは私を蝕んで動けないでいるのです。
これだけ迷惑をかけたうえ
このようなお願いをするのは
僭越なのは重々承知ですが
無理を承知でお頼み申します。
どうか、その朽ちかけた社を
壊してください!」

「社って、これの事か?
ほっといても
もう半分崩れかけてるじゃねぇか。
わざわざ壊すまでもないように思うけど?」

「壊してほしいのは
目に見えるものではありません。
尋常ならざる霊力をお持ちのお二人になら
私の鎖をといていただけると
確信しています。
どうかお力を貸してください!」

「おまえが
もう二度と悪さはしないと
確約するならそうしてやらん事もないがな。
出来るか?」

「私とて闇に沈むのは本意ではないのです。」

「良いだろう。
この社を壊せ、一護。」

「って、やっぱり俺がやるのか?」

「当然だろう。」

「当然って、オマエなっ!
だいたいコレって死神のシゴトのウチなのかよ?!」

「うるさいぞ!一護。
この期に及んでガタガタ文句をいうな!
さっさと言う通りにせんか!」

「…この女ァ、
いつかシメてやる!」

「何か言ったか?
こ~んな小さな者に
手も足も出ぬ青二才が?」

「うっ…
コイツ!ひとの痛いところをつきやがって!
さっき、少しでもこんな女にみとれてしまった
自分が許せない!
いや、あれはきっと衣装のせいだ!
単なる気の迷いってヤツだ!」

「何か言ったか?一護?
文句があるならハッキリ言え!」

「別に、ねえよ!
くっっそ!
オイ!犬っころ!」

「だから、私は犬ではないと…」

「そんな事はどうでもいい!
この社、壊しゃあいいんだな?!」

「は、はい!」

「怪我したくなきゃさがってろ!
いくぜ!」

「他のものまで壊すなよ!一護!」

「わかってる!」

一護がまるであてつけの様に

パワーを込めて

刀を振り下ろそうとするのと

同時に

パッと辺りを

まぶしい光が包み込んだ。

まぶしさに目がくらみ

目を瞑る。

でも、それは一瞬だけで

気付くと辺りは優しい光に包まれていた。

その光はまるでルキアを取り巻くように

発せられていた。

そしてルキアの口からルキアのそれとは

あきらかに違う声が発せられた。

「やっと声を掛けられるようになった。
己の使いに声も掛けられぬとは私の力も落ちたものだな。
私の声は届いているか?シラハ?」

「その声は…?
もしや、主様?
主様であられますか?」

「そもそも私がおまえに身にあわぬ使いを
させてしまったのがきっかけで
まさかこんな事になってしまうとは
…私の力の足りぬゆえ、
おまえにもヒトにも迷惑をかけてしまった。」

「とんでもありません!主様!
これは、ひとえに私の身から出た錆。
主様の使いがはたせず
こちらこそ、ほんとうに申し訳ありません!」

「すんでしまったことは言ってもせんない。
私の元へ戻ってくれるな?シラハ。」

「私はもう主様のお側に
おられるような者では
ありません…。」

「おまえのした事を誠に悔いるなら
ヒトの為に尽くすが良い。以前のように。」

「ですが、主様!」

「おまえを繋ぐ鎖はおまえが自ら創り出したもの。
はじめからその様なものはどこにもなかったのだ。
そこにいる『ヒト』の子供も赦すと言ってくれた。
もうそれでよいではないか?」

「子供ってなんだよ?!
まさかオレの事じゃねぇだろうな?
っていうか、あんた何者?」

「おや、ただの子供かと思えば…
私の声が聞こえるのか?」

「はぁ?!あったりまえだろ?!」

「よく見れば確かに人ならぬ
神気を宿しておる。
黄泉つ神のしもべ…
とも違うようだな?
近頃は舶来の神々も増えたゆえ
私の知らぬ神気を宿した者のなんと多い事か。
私はこの神社を司る…いや、
今はもうそんな力はない。
かつてはと言うべきか?
その昔ここを司っていた者だ。
こたびは私の使いが迷惑をかけた。
すまぬ。」

「は?いや、オレは別にいいんだけど
どうせ謝るならルキアとか
そこにころがっているヤツとかに
しろよ!」

「いまどきにはめずらしく
無垢な魂をもったヒトの子供もおるのだな。
ヒトの世もまだまだ見限ったものではない
ということか…。
シラハ。おまえのおかげで
よいものを見せてもらった。」

「恐れながら主様。
彼の神気は主様にも匹敵しようほどの
ものでございます。
しかも、あの者の力は底がしれない。
どこまでも澄み切った力ゆえ
それがまた恐ろしくも感じます。」

「この者は大丈夫だ。
みちを踏み違えたりはしない。
この者には黄泉つ神のしもべの
加護があるようだから。
ああ、そろそろ、
私がここに留まっていられるのも
限界のようだ。
少年よ。
私の使いの非礼の侘びにそなたの願いをひとつ
叶えよう。申してみよ。」

「他のもんに叶えてもらうような
願いなんてオレにはねぇよ!
それより、ルキアは?ルキアは無事なのか?」

「案ずるな。私が
しばし、この器をかりてはいるが
彼女の意識はここにある。

この者はルキアと申すのか?
断りもなくこの身を借りてすまなかった。
その侘びにそなたの願いはしかと聞き届けた。
では、もう行かねば。
ちゃんとついて来るのだぞ?シラハ。」

「はい!主様!」

再びルキアの体が光をはなち
そこから光の玉が躍り出るように
社殿の上のそらへ舞い上がり消えていった。

それを追うようにちいさなキツネが跳ねるように
跳んでやがて見えなくなった。


そして、辺りにはいつもの宵闇が静かに
降りて来ている。


ちいさなため息とともにルキアが倒れ掛かる。
それをすんでのところで受け止めて
一護が問う。

「大丈夫か?!」

目を伏せたままのルキアに不安になって

「ルキア?おいっ!?大丈夫か?ルキア!」

「すまぬ。力が抜けてしまって立てぬのだ。」

「どこか怪我でもしたのか?」

「いや、大丈夫だ。怪我はない。
たぶん、こういうのを気がぬけたと言うのだろう。」

「具合悪いならそう言えよ?」

「フフッ。」

「なんだよ?どうした?」

「いや、貴様がやけに優しくて気味が悪い。」

「人が心配してんのに言うに事欠いて
気味が悪いとはなんだよ!気味が悪いとは!」

「心配してくれたのか?」

「当たり前だろう?」

「そうか、それはすまなかったな。ありがとう。」

「おまえこそ、一体どうした?
今日はやけに素直じゃないか?」

「私だとて常日頃貴様に負担ばかりかけて
いつもすまないと思っているのだ。」

「どうしたんだ?おまえ?
頭でも打ったのか?」

「私が素直だとそんなにおかしいか?」

「そりゃ、まあ、おかしいなんてもんじゃねぇだろ?」

「そうか。」

「っていうか、別に悪いわけじゃねぇけど、
調子狂うっていうか…その、あれだ。
おまえはやっぱ不敵に笑ってる方がおまえらしくて
いいんじゃね?」

「そうか。」



「…しいな。」

「あ?今何か言ったか?」

「こうしていると土のにおいと草の香りがする。
懐かしいなと言ったのだ。」

「え?」

「昔はよく、落葉の褥(しとね)に草枕で眠ったものだ。」

「え?おまえ、外で寝た事あるのか?」

「ああ。ルコンに居た頃は家などなかったからな。
こうして、よく…
いや、もう昔の話だ。

さて、そろそろ行くか。」

「オレも、ガキの頃はよく
草の上にねころがって空を見てたな。
おお、今日は星が良く見えるじゃねぇか!」

「どれ?ああ。本当だ。キレイだな。」

「なあ?」

「なんだ?」





               続く








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Last updated  2007.08.21 17:39:01
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