だから野球が大好きで
新人戦の結果、3位入賞を果たしました。さらに来年のシードも獲得。勝負は下駄を履くまでわからない。何が起こるかわからない。くじ運もよかった。主力の欠いた穴をみんなでカバーしての勝利。よくやった。その気持ちでいっぱいです。みなさんにも心配していただきましたが、あらためて野球の面白さをしった一日でした。1回戦は、実力はほとんど五分の隣の小学校。春から切磋琢磨してきました。春先の練習試合では、こてんぱんにやられましたが、晩夏の公式戦では1:0の勝利。向こうも本気でかかってくるはずです。相手の投手の球を捕らえているのですが、野手の正面やファインプレーで阻まれる。エラーがらみで1点を先制されていやなムードが漂います。中盤に向こうのミスで同点に追いつき、最終回へ。ドラマはここから、いきなり始まりました。表の攻撃を何とかしのいでの、わがほうの攻撃。7,8,9の下位打線です。なんとかランナーを出して上位につながればチャンスはあると確信していました。7番は、今年の春から入団したばかりの5年生。周りは、みんな3年生から入っています。彼は、たよりない部分もあり、試合なれ場慣れしてない分コンプレックスもあったようです。みんなからフォローされることが多く、いまだ守備はたよりありませんが、意欲はあります。決してスマートなやり方はできません。いつも鼻水をたらしながら、真剣な表情でもくもくといわれたことをやるタイプ。愚直なまでに、朴訥。家では毎日の素振りを、取り憑かれたようにやっているそうです。そんな彼が、いきなりかっ飛ばしました。どんぴしゃのタイミング。鋭く振り抜かれた打球はレフトの頭上へ弾丸ライナー。もんくなしのホームランです。そんなときに、親はいない。みせてやりたかった。そして感動してほしかった。ほめてあげてほしかった。最近の試合では、クリーンナップも振り遅れるような速球のピッチャーの球にもついていけるようになっていたので、三振はしないだろうと思っていました。7,8,9の誰かがエラーがらみか、四球で出てくれればいいなぁと思っていた矢先。まさか、ホームランとは・・・彼が試合を決めました。こういうことが起こるから、野球は面白い、指導者は面白い。綿密な計画やシュミレーションなどでも、予想できないことも起こる。みんなの手荒い祝福の中で満面の笑顔の彼をみて、目頭が熱くなってきました。彼は、今まで以上に野球が大好きになったでしょう。そしてもっともっとうまくなろうとするでしょう。その彼をみて、ほかの選手もうまくなろうとする。毎日の素振り、練習は裏切らない。そんな彼をしっかり見ていてくれたのかどうかわかりませんが、野球の神様に感謝です。その後は、優勝候補とあたって、11:0のコールド負け。急造の守備位置を攻められちぐはぐな野球。おまけに、選手は泣き出すし、試合になりません。相手投手も速かった。完全に実力負けです。ここにも勝たないと会津で一番にはなれません。いつかリベンジを誓って3位決定戦に。3位決定戦は、相手のミスにも助けられ、6:2で快勝。2番手投手や守備の確認ができたので収穫はありました。はじめてアウトをとった選手。初めてヒットをうった選手。エラーをした選手。今シーズンは終わりました。彼らの成長なしに、会津で一番にはなれません。この冬。もう一度、基礎を確認し、さらなるレベルアップを目指します。