旧譜でごめんねっ！～音楽は記憶の栞～

【水割ヘッドライン】に続く新シリーズの第２弾は、思い出の一曲シリーズの続編です。志望校に合格し、桜満開の新しい学舎へと旅立った私のその後とは・・・。
　笑いに笑って時にはホロリとさせて、水割の高校生活【嗚呼、青春軽音セレナーデ】本日スタートです！
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　高校合格と同時に誓った事、それは「オードリーとの決別」（オードリーについては思い出の一曲シリーズ初期を御参照ください）
「少し疲れたんだ、君のことが嫌いになったわけじゃないんだよ・・・」
　などと「千春」っぽくきれい事を並べつつも、従兄に譲ってもらう真っ赤なエレキで頭の中は一杯。そんな私は春休みを利用して伯父の住む奈良県へギター引き取りの一人旅です。

　昨日、今日、明日♪変わりゆくわぁぁぁったしいぃぃ♪あぁ三都物語ぃ（´。｀)　すっかりウカレちぎって従兄と再会。

「おっ！来たな、真っ赤なエレキの新しいオーナーさん(^_^)b　まずは高校合格おめでとう」
「どうもどうも。まぁ、余裕っすよ！合格祝いでギターの足抜き代も都合できたしね ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ」
　まさしく我が世の春です。
「このギターが最高ってワケでもないからなぁ、徐々にステップアップさせたらエェやん、アコギも欲しくなるやろぉし・・・」
　その夜、食事の後従兄に連れられ近所の楽器屋へ。
「こんばんわ」
「おぉ、毎度さんやなぁ。久しぶりやん、なにしてたん？」
「いや、野暮用ばっかりやで、なんかエェのある？」
　常連モード全開。今考えるとつまらない事ですが、当時の私はそれに対して羨望のまなざし。す、す、すげっ(^_^;)
「さて、水割どれにする？」
「へ？」
「アンプ。家で鳴らす用のヤツやがな」
　ギターだけ連れ帰っても鳴らないのは当然。そこで従兄に見立ててもらい小型のアンプを購入。ここぞとばかりに入学祝い金を散財（´。｀)　やばい、婆さんに奈良漬けのお土産頼まれていたのに・・・。

↓まだ鳴ります↓


　滞在も最終日の夜、部屋にこもっていた従兄が手招き。
「さて、そろそろ新オーナーさんに渡すわ。大事にしたってや(^_^)b」
「大事にしますぅ　 ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ」
「ほな・・・銭くれ」

。。。ズルッ(ノ＿　＿)ノ

　どうやら愛機で最後のフレーズを弾き、新オーナーの為に弦交換をしてボディを磨き込んでくれていたようです。安っぽい合皮ケースの中を覗くと、いくつかの打ち傷と眩しい輝きの真っ赤なエレキが見えました。

↓そのギター↓


↓尖ってますな(-_-;)↓


↓格好良く見えたんだから仕方ない^_^;↓


　翌朝、伯父・伯母に別れを告げて従兄の見送りで駅へ。開札を抜けようとする私に・・・

「水割・・・ギター上達せぇへんでも諦めるなよ。ヘタでもかまへんから止めたらアカンで。音楽から離れたらアカンぞ。ええな？わかったな？」

　あれから１７年も経ったんですね。