羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」を読む。
又吉の「火花」を読むために買った文芸春秋2015年9月号に載っていて
「火花」を読んだ後にすぐ読み始めたのだが、老人介護の話に
気持ちが拒絶し中断していた。
家族の介護・お世話
老父母の状況の変化とともに、半年前と今とでは私自身の気分も違う。
猛烈に「知りたい!逃げたくない!」気分になっていたのか、一気に読み終えた。
軽い介護が必要な祖父。口は悪いが働き者の母。一時的なニートもどきの孫(男30歳前)の家族。
孫は祖父の介護にわずかばかりの存在価値を見つつ、「死にたい」と言う祖父に手助けをしたいと考える。
できることでもすぐ人に甘え、卑屈な態度と言葉でやってもらおうとする祖父。
母は叱咤し自分でやらせようとする。
孫は母に悟られないよう「老体をますます弱らせるべく」優しく過剰介護をする。
そんな感じで介護の日常話に終始はするが、けっして「介護は大変」なんていう単純な話ではない。
「スクラップ・アンド・ビルド」という言葉の意味を調べると
「文字通りスクラップして立て直すという意味。老朽化した施設を廃棄し、より能率的な施設を積極的に開発していくこと。」
なるほど。
ニートもどきの時間を終え、家を出て仕事を始めようとする孫と
しゃっきりとした態度で見送る祖父は、それぞれが「スクラップ・アンド・ビルド」する経過が見える気がした。
TV番組に出ている羽田さんを見て最初「なんなの?こいつ」と思ったことを反省します。
この作品はかなり深いことを書いているようです。
本が好き
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