◆介護話ではない。羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」◆
羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」を読む。又吉の「火花」を読むために買った文芸春秋2015年9月号に載っていて「火花」を読んだ後にすぐ読み始めたのだが、老人介護の話に気持ちが拒絶し中断していた。家族の介護・お世話老父母の状況の変化とともに、半年前と今とでは私自身の気分も違う。猛烈に「知りたい!逃げたくない!」気分になっていたのか、一気に読み終えた。軽い介護が必要な祖父。口は悪いが働き者の母。一時的なニートもどきの孫(男30歳前)の家族。孫は祖父の介護にわずかばかりの存在価値を見つつ、「死にたい」と言う祖父に手助けをしたいと考える。できることでもすぐ人に甘え、卑屈な態度と言葉でやってもらおうとする祖父。母は叱咤し自分でやらせようとする。孫は母に悟られないよう「老体をますます弱らせるべく」優しく過剰介護をする。そんな感じで介護の日常話に終始はするが、けっして「介護は大変」なんていう単純な話ではない。「スクラップ・アンド・ビルド」という言葉の意味を調べると「文字通りスクラップして立て直すという意味。老朽化した施設を廃棄し、より能率的な施設を積極的に開発していくこと。」なるほど。ニートもどきの時間を終え、家を出て仕事を始めようとする孫としゃっきりとした態度で見送る祖父は、それぞれが「スクラップ・アンド・ビルド」する経過が見える気がした。TV番組に出ている羽田さんを見て最初「なんなの?こいつ」と思ったことを反省します。この作品はかなり深いことを書いているようです。 本が好き クリックが更新の励みになります。いつもありがとうございます。 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 晩ご飯一覧はこちらのフリーページに ダイエット経過はこちらのフリーページに載せています コメントをくださるなら別館「アイコ掲示板」 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓