待った、待ったぜ。やっと出てきやがった。
1年ぶりの懐かしいメンバーたちの顔、しっかりと見届けさせていただきました。いやー、副長はやっぱり時代劇やってたほうが絶対かっこいいですね。1時間半でたった一日。リッチな使い方だと思ったらとんでもない。これでいっぱいいっぱい、足りないくらいでした。会津でも宮古湾でも見せ場はたくさんあったのにと思いましたが、ここだけに絞ったことで土方さんの気持ちがびんびんと伝わってきました。さすがの演出です。史実を外さずに、きっちりと「生きるために戦う」土方歳三を納得させてくれました。ともすれば滅びの美学だのなんだのと騒がれる最期を、後ろ向きにならないように見せる演出はやはり三谷さんの考え方なのでしょう。死ぬ場所を探して戦いに望むなんて、やはり新撰組の副長としては認めがたい退行でしょう。戦いは生きたい者が生きるために力を尽くすための行為でしょう。やりたかったことを尽くした近藤さんと、生きるために前に進んだ土方さんの最期。この二つは1年という時を超えてしっかりと響き合い、新撰組はその幕を閉じました。今はただ、満足。またしばらく時間を置いて、じっくりと見直したいと思います。個人的には大鳥さんがよかったですね。榎本さんも土方さんを相手に回して一歩も引けを取らない貫禄でしたが、誰よりも戦いたい自分の気持ちを押さえて榎本さんの意思を受けとる強さ。コミカルに描写された分、おしまいの方では輝いていました。旧幕軍の桶狭間作戦を越える官軍のひよどり越えの戦。史実をゆがめずにこの演出。しかも昨年の大河と噛み合わせるあたり、どこまで隙がないのか この人は、と思わせられてしまいました。今、ちょっとうっとりしています。