骨が折れる?
今では懐かしいある会社での朝の珍事。才色兼備とは彼女の為にあるのではないかと思った同僚といっても私より、年齢的には上の女性の話である。初めて会った時は、色白なのでノーメイク。それでも綺麗だから22歳(新卒)は良いなと思っていた。しかし、仕事はできるし、あまりにもしっかりしている・・・。社内・社外の男性陣は、こぞってアタックしたり、上司に仲を取り持ってくれとかけあったりすることもあった。22歳にしては不思議に感じていたある日、ようやく話す機会があった、話しも面白く年齢の話し及んだら「えーつ!」20代ではなく30代であった。それなら仕事ぶりも納得。ちなみに彼女は、現在でもノーメイクと同じようなものだ。それでも美しいから恐れ入る。しかし、女性の恐ろしいところは見かけと中身のギャップが激しいところである。彼女も仕事では男性顔負け、しかもサバサバしているが、気さくで優しく、なによりもユニークであった。そんな彼女が、ある日、遅刻をして中々姿が見えない。会社側でも心配して何かあったのではないかと考え始めた矢先に、なぜか社内にいる私宛に彼女から電話がはいった。私 「何かあったの?」彼女「・・・実は昨日から○○病院に入院しているの・・・」私 「昨日からなら何故、私か会社にも連絡しなかったの?」彼女「恥ずかしくて連絡できなかった・・・」私 「????」彼女「昨晩、滑って転んで右腕を骨折したの・・・」私 「どうやって転んだのよ~。夜間でも電話くれれば良かったのに・・」詳細は後にして、家族が近くにいるわけではないので必要なものを持っていくのが先と思い、どこに入院しているのかを聞いた。彼女「○○病院」私 「なんでまた、そんな病院に入院しているの!」彼女「救急当番医にあたっていたからだけど・・・」私 「○○病院のうわさを知らないの?」彼女「えっ、そうなの!それで対応が悪いのかしら・・・」私 「直ぐに転院できるようにするから」上司が駆け寄ってきたので「あいつらしいな」と・・・その後、急遽、整形外科専門病院に入院を手配し、上司に○○病院に直接行ってもらい、会社指定病院があるのを本人が知らなかったという理由で、その日のうちに転院させた。あのまま、○○病院に入院していたら、彼女の右手が使えるようになるまで何ヶ月も要したであろう。見かけは才色兼備だけど、ちょっぴり天然が入っている彼女には、骨が折れました。