テーマ:★今日思ったこと☆(81)
カテゴリ:読書☆想
タイトルは井坂幸太郎氏の【死神の精度】の続編で、今回は長編である。
井坂氏描く死神は、事故や事件で死ぬ予定の人がその運命で「可」か「見送り 」かを 1週間対象者に密着して調査するお仕事をするという設定なのだ。 お仕事・調査を至極真面目にやるのが、主人公の死神・千葉なのだが~ 他に死神は大勢いる、ろくに調査もしないで「可」と報告する神が殆どなのに。 千葉は強烈な【雨男】ならぬ【雨神】で、彼が仕事中はほぼ毎日雨だ。 彼のささやかな願望は「太陽輝く晴れた空を見てみたい」なのだが、叶わない★ 千葉が人間界で唯一気に入っているのは【音楽】で、ジャンルは問わない。 ことあるごとに音楽を聴きたがる変な男。。 神で有るから死なないし、数世紀仕事しているから少し前と言っても人には伝わらない昔になる。 例えば【渋滞】は【参勤交代】の時も大変だったと、言ってしまうくらい無頓着★ そのチグハグさなどが面白いと思える人には、お勧めの小説だと思う。 さてしかし今回の【死神の浮力】は、長編。 話は小学生の娘を殺された夫婦の苦悩から入る、、、この時点でかなり引く★ 娘を持つ身であるし・・・、育てている時には絶えずそういう心配から逃れられないし★ なんなら今だって心配は常に心のどこかに有り、ふと考えるといたたまれなくなるし★ ・・だから娘が子供は作らない!と言うのを、信じてどこか安心していたのに・・ 話に戻ると、まずこの夫婦の元に死神千葉が現れる。 と言うことはどちらかが死ぬか見送りになると言うこと! 奇妙に感じるが千葉は普通に人として認識される。 超真面目死神千葉は、夫婦宅を訪問して昔の知り合いとごまかして夫婦と知り合う所から始める。 その日彼らの愛娘を手に掛けた犯人は【無罪】になった所だった、と言うタイミングの悪さ~! 今回千葉にはそれがついて回る・・もしかしたらそれこそ千葉なのかも・・ さて無罪判決はさぞや無念だろうと、マスコミは自宅を取り囲んでいる。 実は【無罪】になるように仕組んだのは夫婦なのだ、 彼らは法の手の届かないところで復讐する事を企んでいたのだ。 それが千葉の存在で事態は思わぬ展開になってゆく~と言うのが、見所なのだ! 結果復讐は果たされるが、それは娘の敵を取ると言うよりも【人を救う】行動になる。 犯人に対して彼らが思う【良心の無い人間】は、或る統計では25人に1人居るとか。 【良心の無い人間】とは、人を傷付けたり犯罪を犯す事に痛みなどまるで感じない人の事。 躊躇さえしない人間に普通の人間はどうしたら勝てるのか? せっかくのチャンスを逃した後で、ジタバタする彼らにもどかしく思うもそれが普通かも。 その上千葉のトンチンカンな言動が、少しうざくもなるが許容範囲内。 最後死神だからといって勿論死んだ人間は生かせないが、 【見送り】にされた人間は死なない・・どんな状態であろうと死ねないのだが~ そこで少しだけ溜飲が下がる・・奥床しいと言うか、考えると恐ろしい★ 良心の無い人間の犯罪が増えている昨今、死神が存在しても彼らが居なくなる訳では無いが。 そんな事が有っても良いのにな!と、考えさせられた作品でした☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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