秋の創作活動 その3
毛利楓の旅エッセイ漫画に時折登場していた『平家物語』フレンズのM原さんが亡くなりました。秋のある日、知らせを受けて娘さんに会いに行って来ました。M原さんは学生時代のサークルの先輩です。毛利楓さんが入学した年に出会ったんじゃなかったかな。M原さんは勤め上げてから母校に戻って来たので毛利楓さんよりかなり年上です。最近は毎年、秋になると御自宅に会いに行っていました。そのたび『平家物語』について語り合っていました。いつぞやペーパーに書いた「木曽最期」で最もかわいそうなのは鬼蘆毛(木曽殿の愛馬)というまさかの?新説はこのM原さんが生み出したものです。木曽義仲とその周辺の話をすることが多かったので、てっきり木曽殿に並々ならぬ思い入れがあるのかなと思っていたのですが、娘さんによれば「最推しは清盛だったようなのよ。」とのこと。えっ?そうだったの!?気が付かなかった。もっと萌え語りしてくれても良かったのに!そんなM原さんの推しメンに気付けなかった毛利楓さん、未だ亡くなった事実も自覚できていません。相変わらずヲタク情報を入手すると「今度会ったらこの話しよう☆」とか考えてしまう。もう二度と木曽殿の話も共通の恩師の思い出話も出来なくなってしまったのに。来年放送の『平家』のアニメとか鎌倉大河とかのことも共に語り合えないんだなあ。M原さんの不在は来年、テレビを見ている時にじわじわ思い知るのかも知れない。写真は画家をしている娘さんにいただいた絵墨です。(※同時にいただいた冊子はホルベインのものですが絵墨は墨運堂の製品です)水彩画のような絵が描けるらしいよ。以前から使ってみたくて、画材屋で買おうか悩んだ画材なんだけどいただいちゃったよ!素敵なお土産、ありがとうございました。さっそく絵墨を使ってみました。カットを描いた時の背景やちょっと合成するのに使ったりするテクスチャ的な物を作ってみようとガンガン塗って行きました。紙はリーズナブルな水彩紙と大昔に買った因州色紙というのを使いました。組み合わせ次第でいろんな色が出来る点は普通の絵の具と同じです。食卓塩をぶっかけると透明水彩と同様な効果も出ますぞ。色は渋め。これで鎧とか描きたいですね。少し彩度を足したくなって透明水彩の絵の具や呉竹の顔彩を混ぜたりもしてみました。実験、楽しいのう。新刊作りに戻ります。修正が多くてつらいです。この画像(スクショ)は泣きながら建物の修正をしているところ。「資料あったでしょ?見て描いてたよね?」というミス。資料の解釈ミスなのです。あんなに確認して描いたはずなのに。このコマの背景、時間がなくなってから描いてたのを覚えてる。焦って描くからよく確認しないで描くことになるのよ?毛利楓。あと、創造主ではないからすべての物体の構造が頭に入ってるわけではないのであるんである。(主語をでかくして己の問題を矮小化した)とはいえ、比較的時間に余裕がある今でもいい加減に描いている自信はある。気が付いたら、その都度直して行きたい。今回の新刊では枚数の都合で短篇読み切りは描かないんだけど、プチ漫画は描くのである。ものすごく久しぶりの「しげニャリくん」です。「限りなく黒に近いグレー」はこの猫の毛色であり、生き様。カット類を描いています。これは標題紙用に使う絵。北条の姫、稲毛殿を拉致……しているようにしか見えない。次回、40年前の郷土愛てんこ盛りマガジンの衝撃!!見逃すな!!!