今のなべじゅんはモテるはず!
なべじゅんなべじゅんは心の優しい男。私が大学2年生から軽音部に入ったとき、一番最初に私に声を掛けてくれ、新歓合宿のバスでは隣に座ってくれた。しかしちょっと気弱で折衝が苦手。部活引退前、最後の大学後夜祭の舞台に誰が上がるかという議論があった。そのときに彼は真っ先に辞退した。彼の楽器の実力的には全然舞台に上がれるレベルだったのに。就職もその優しい性格と、持ち前の謙虚さ、気の弱さで、希望通りにはいかなかった。当然、女性にもモテなかった。そんななべじゅんはある日、就職を止め、服飾の専門学校に行くと言い出した。サラリーマンとしてはなべじゅんの長所が生かされないだろうし、それはとても応援できる決断だった。今春、私は社会人になり、彼はもう一度学生になった。程なく彼が変わっている事に気付いた。彼にとても自信がついたのである。その服飾の学校はとんでもない量の課題が出されるので、毎日3~5時間睡眠で、服を作り続けているらしい。そんなキツイ毎日を送りながら、自分の道がはっきりと見えたのだろう。そのフィールドに自分の旗を立てた、決意と覚悟。そんなものが彼に自信を与えたのだと思う。今まで持っていた優しさと謙虚さに、自信が加わったことによって、最近とても、なべじゅんがかっこいい。人に優しく、自分に厳しく、自分を限界に持っていくことで、生まれる何かにわくわくしながら自分を追い込んでいるような。自分をその状態に持って行き続ける人間はすべからく、「一流」と呼ばれている。ああ、また一人、私の周りに一流予備軍が増えて、そんな人に刺激をもらっている私はとても幸せだ。負けないからな!以上