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晋数パーマイルド3

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Nov 25, 2005
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グラン歴800年
私、デモク=ニティがここに記すは、私の研究したこの地の古代史による仮説をまとめる為である。
まず古代史を記す前に、この地の現在の風俗を語らなくてはならない。何故らならば、過去の生活がどのようにして現在の文化に繋がっていったことを知る為、現在のものと比較対照しなければならないからである。
故に、先に現在の文化・社会・政治経済を書き記すものとする。

この地はユグドラル大陸の北端ノイマン半島のほぼ全域を統治するシレジア王国を政治体型の基盤としている。また、このシレジア王国の版図は大きく2つに別れている。国土中央部を東西に走るシレジア山脈がそれであり、これを境にして南シレジア、北シレジアと呼ぶことを通説にしている。
北シレジアの気候は厳しく、特に北端の都市トーヴェ周辺では、白夜と呼ばれる太陽の沈まぬ時期と、逆に一日中太陽の昇らぬ暗闇に閉ざされた時期とが数ヶ月ずつ訪れる。北シレジアの南西端であるセイレーンもそれほどではないにしろ、通常人間が快適に暮らすにはほど遠い気候であると言わざるを得ない。
ではあるが、この地方、特に北端と西南端であるこの2つの都市は人口が集まり、本来のこの気候であれば考えられないほどのにぎわいを見せている。
その正体の1つとして、特に北端の街トーヴェ近郊を中心に現在でも野生の姿で多く存在する天馬ペガサスの存在が大きいと言わざるを得ないだろう。このペガサスは人間の友として、その移動力を使うばかりでなく、時には貴重なタンパク源として、時には工芸・雑貨品として余す所なく利用が可能だったことにあるだろう。先にも触れたが、北端の地であるトーヴェの繁栄を可能にしたのは、このペガサスの存在を抜きにしては考えることは出来ない。
では、何故ペガサスがこの地に多く生息しているのか。それは、この地に生息するシレジアゴケと呼ばれるコケをこのペガサス達が主食としているからである。ペガサスはこのコケを食する為、瞳が翠色をしているという特徴がある。同じくこのコケを食料にしているシレジアトナカイもまた、瞳が翠であるという。これらの肉を口にする我々シレジア人の瞳が翠であるのも、また食物連鎖の鎖の一環として当然のことなのかも知れない。
また、ペガサスは人(特に女性)に慣れやすく、かつ頭の良い生き物である為、南のグランベル王国などの他国からは、この風習を奇異と見なすこともされてきた。そもそもグランベル王国は、最近でこそ薄れてはきているものの、かつて他国を蛮族として自らを優越国とする慣習があり、現在でも尚ペガサスを口にすることを野蛮と言って憚らない。
この影響を受けてか、南シレジアではこのペガサス食は次第に形を潜めてきている。しかしながら、そもそも穀物が殆ど育たず、唯一と言っても良い農業であるジャガイモを主食とし、未だにペガサスを貴重な食料としている北シレジアではこの風習は終わることはないだろう。
もう1つ、この地で何故コケが育つかということにも疑問が生まれる。いかにコケとはいえ、このような厳しい気候で大量に生息するものではない。となれば、他にこれを可能にしている要因があると考えるしかない。それは、シレジア山脈が火山帯であり(とはいえ、グラン歴が始まって以降、これらの山々が噴火した記録はない)その南北に温泉地域が広がっていることにある。この温泉があるからこそ、北シレジアの人間は厳しい冬に凍えることはなく、また彼らのタンパク源の1つであるペガサスやトナカイの生息を可能にしているのである。
次に、セイレーンに都市が出来た理由であるが、これはトーヴェよりもさらに経済的な理由が強い。シレジア山脈は東西の端をもってのみ陸路で行き来が可能であるが、東側はそれでも険しいと評するに値する道しか通っておらず、殆ど全ての旅人や商人は西側の峠を通る。また、ノイマン半島の南西端は西側のオーガヒル地方やその南のアグストリア王国からの海上の交通網の延長線上にある。この2点の混じり合った交通の要所であるセイレーンが北シレジア1の都市へと発展するのも、当然の帰結と言えるだろう。
(続く)


この物語を書くにあたり、ファイアーエムブレム聖戦の系譜公式設定資料である「トレジャー」を参考に致しました。





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Last updated  Nov 25, 2005 07:30:54 AM
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