「常静子剣談」を読む。⑥
剣術は手の技なることはもちろんながら、その要を為する所は足にあり。此の所に心着く者はその法を得ると知るべし。それゆえ人の能・不能を観るには手より足を心着けて観るべし。足合う者は必ず勝身あり。当流勝負の伝にも下部三所のならいあり。ー----------------------------------基本的な流派の立ち方、足運びの仕方というものがあり、それができているという条件のもとに手技が成り立っていると考えています。したがって、それがおろそかな人は手わざの威力がない。それができている人と比べると天と地ほどの差があります。その人の実力を見るときに、足運び、重心の位置、立ち方に一定の法則性を見ることができるかどうか?その法則にきっちりと則って動いていれば、それは相当な実力があると思ってもいいでしょう。師から技を習う時も、足の位置、つま先の方向、脚幅などをきっちりと真似することが大切で、手の動きの順番を覚え、手の形を真似たからと言って、師と同じ威力は発揮できません。師の動きを真似てやっても上手くいかない場合、師の足の動きをよく観察して研究することです。逆に足ができていれば、手がどのような動きをしても、それがその流派の技になります。足のことは、技の原理原則につながっていると思います。