R6,11,3 稽古日誌
昨日の稽古日誌を書きます。昨日の柿崎のお天気は晴れ。秋晴れのよいお天気でした。気温はかなり低くなってきましたが、未だカメムシ君は元気に出歩いています。今回のメンバー4人。N師範、O大師兄、S君、私。最初は基本の定歩崩拳、馬歩穿掌、握拳。次は太極拳対練。最初は行気から打擠。行気は相手の右上段突きを両手を上げながら時計まわりに受け流す。こちらは右手で相手の右手首に接触するが、左手は相手の肘の外側から上腕外側に接触する。こうすると相手は身動きが出来なくなる。左手の接触は相手に衝撃を与えるような力を使わず、相手をいたわるような接触のしかたをする。空間を支点にして左肘を曲げる。これによって自動的に左前腕は直立する。このようなテクニックで相手の肘もしくは上腕外側に接触すると、自動的にこちらの体幹が回旋し、左半身となる。この時の腰の回転する力で相手の上半身を固定する。すなわち身動きが取れないようにする。相手は、こちらの右手が自分の攻撃した右手首に触れているので、それで受け流されたと思うが、実は左手で体幹の動きを止められているこのに気付かない。だから、受けられただけで、からだが金縛りにあったような感じになる。こちらが、左手を緩めると、相手は動けるようになり、左中段突き。こんどは、その突きを左手で左に受け流す。この時も右手は左手と並んで同じ軌道を動く。この時は、右手首内側で相手の左上腕外側を押さえる。押さえるというか触る。腰は左に回旋する。こうすると、相手の体はねじられ、ツイストドーナッツもしくは、絞られた雑巾のようになる。これで相手はドーナツになったまま、身動きができなくなる。次にこちらは右手をゆるめてあげると、相手は右上段突き。こちらは相手の右手首を、右手で後方に受け流し、左前腕を直立させて、その場でぶれないように、歯車を回転させるように動かす。こうすると相手は釣り上げられた魚のように浮き上がる。これも、相手の注意はこちらの右手にあるが、実は左前腕が歯車で受け流しているのがわからない。したがって、なぜか釣り上げられている感じになる。次は左手を相手の右手首に当て左足を進めながら発勁する。相手は右腕が伸びきったところに右手首にこちらの右手首背側を当てられて一気に下へ落とされ棒立ちになったところを発勁されるので、吹っ飛んでいく。この技は、相手の意識を騙す技だ。攻撃する側はどうしても、受けられた手の方を気にするが、実は、反対の手で体の自由を奪われている。心理をついた巧妙な技だと思う。次は琵琶勢。化勁を使うと簡単に技がかかってしまうので、化勁を使わずに肘関節を極められるかが、当面の課題であったが、ようやく答えが出た。相手が右中段突きでくるのを、こちらは右半身になって相手の肘と手首に触る。次に、相手の手首と肘の位置が、あたかも空間で固定されて動かないイメージをしておいて、左手で相手の左手首を内旋させる。これと全く同時に相手の左肘も、こちらの右手で内旋させる。これにより瞬間的に肘が極まる。あとは重心を落とせば、相手は関節を極められながら、下に潰れることになる。この時、大切なのは自分の右肘の動きだ。こちらの右手で相手の肘関節をひっくり返すのだが、この時、自分の肘の位置が動かないこと。おさえつけようと思ってやると、肘が外に向いたり、上に向いたりしてしまう。そうすると支点がずれるので、関節が極まらない。肘を下に落としたまま、相手の肘を返しながら、垂直に落とす。また、この時に本当に同時に相手の左手首を返さないと、これもまた極まらない。しかし、これが成功すれば、相手はどこにも逃げられず、かつ踏ん張る事もできずに技にかかってしまう。これで、化勁なしの琵琶勢の完成!しかし、これは相手が真っ直ぐについてきた場合に功を奏すが、相手がフックのように回して打ってきた場合には、かからないことがわかった。まあ、回して打ってきて、その拳がこちらに当たるのを待っている必要もないが、ここはあえて待ってあげて、技をかける。これは、本当に上手くいかない。しかし、化勁を使えば、片手一本で技はかかる。しかし、ここからまた研究しようと思う。まだ、化勁なしで掛ける方法の研究は続く。次は左右搬攔。相手の右中段突きを体をかわしながら、両手でネットをかぶせるように柔らかく押さえる。次に相手は左上段突き。これに対していろいろ試みてきたが、今回は手首に焦点を当てようと思う。相手が突いてくるとき、肘がの伸びる。腕が伸びる。この時、突然、その手首に鉄球が載れば、上体はガクンと前に落ちてしまうだろう。この原理を利用する。相手が左上段突きをしようと、肘を伸ばしかけた時、自分の左前腕は相手の左肘の下あたりに存在する。そこから、こちらの左前腕は上に立ち上がり、相手の左肘付近に接触する。そこから手首まですべらせて、その手首を垂直に落とす。これで相手は強制的に深くお辞儀をさせられたように身体が二つ折りになる。そこで余裕を以って、相手の後頭部に右掌を打ち付ける。次は提手上勢。相手の右上段突きを右手で右横に受け流す。同時に右足を斜め前方に踏み出すと、相手はまたツイストドーナッツのように体を強制的に捻じられる。このままではかわいそうなので、右手を緩めてあげる。そこで相手は左中段突き。こちらは左半身を後方に引きながら、右前腕で相手の突きを懐に迎え入れる。相手は前のめりに崩れ身動きが出来なくなる。またこのままではかわいそうなので、右手を緩めてあげる。こうすると相手は、右上段突き。そこで、こちらは左手で猫が顔を撫でるように、相手の突きを巻き落とす。自動的に顎が前に出てくるので、下から右手背で打ち上げる。相手はエビぞりになって空を見上げたまま動けなくなる。この技は相手が抵抗してくれればいいが、抵抗のしようがないので、技がかかってしまう。しかたがないので、これらの動きを人差し指一本でやることにした。当然、相手の突いてくる手首にこちらの人差し指の圧力がかかるし、指の当たる面積は小さいので、青手はそこを頼りに力を発揮することができずに振り回されることになる。よって、人差し指一本でこの技は完成する。次は、もっと単純な技にした。相手は右上段突き。それをこちらは右手で内側から受け、化勁で相手を手前に引き出す。そのまま右前腕を相手の右前腕にまとわりつかせて垂直に落とす。これで相手は、右手首を外旋させられてひねり落とされる。膝にも勁が到達するので、両膝から崩れ落ち、下に潰されたまま身動きができなくなる。これは、ただ、相手の右上段突きを受けただけでは、当然、すかさず左突きが飛んでくる。化勁なんて呑気なことは言ってられない。相手が突こうと思って一歩前に踏み込んだら、こちらは同時にさがるのだ。これだけで相手の攻撃は当たらなくなる。しかし、相手は突いていく途中で相手に下がられると、無意識に追いかけたくなる。重心が前に行く。次の左上段突きを繰り出すためには、一瞬重心を戻す必要がある。この戻す間に相手の右腕を巻き落としてしまうのだ。この巻き落とす原理は、例の手首に突然鉄球を載せるやり方を使う。このとき、この巻き落としが成功する条件としては、肘は回転するが、肘の位置は横にぶれないようにすることだ。肘に位置を自分の正中線上に置いて、そこから外側にずれないようにする。ずれないようにしながら、正中線上に垂直に落としていく。これができるかどうかが問題だ。これができれば、相手は突いて行った瞬間、真下に潰されて身動きができなくなる。次は、相手が右上段突き。こちらは相手の拳の外側から右手で受け、そのまま下に振り落とす。相手は下に潰れて身動きが出来なくなる。これも手首に鉄球の原理を使えば容易にできるようになる。大切なのは、相手の手首を握らないこと。握ってしまえば、そこで相手の動きにブレーキがかかり崩れない。しかし、握らなければ、相手は体ごと下に振り落とされて潰れてしまう。手首掌側の中央が、鉄球の役割を果たすこと。そして、この技も肘が垂直に落ちていくこと。そこから右腰に相手の右手をくっつける。これで相手はジェットコースターに乗ったように振り落とされる。特別な技のようであるが、毎回やっている馬歩穿掌と同じ動きにすぎない。基本であるが、すざまじい威力を発揮する。やはり、基本は大事だ。次は行気の応用。相手が右上段突き。こちらは相手の右外側に進みながら左右の手を時計廻しに動かす。相手の攻撃は右に流れる。そのままこちらは右腕を下方に回す。こうすると相手はすれ違いざまに右腕を後方に持っていかれる形になり、仰向け気味に後ろへ崩れる。こちらは右腕を相手の肘の内側に当てて垂直に立てる。こうすると相手の右肘は屈曲して、ちょうど上下逆さになった「L」字に曲がる。こちらは取って返す形で右足を相手の右前方に進める。同時にこちらの右前腕を右へ回転させて下に落とす。同時に左手で相手の右上腕を斜め下方に押す。こうすると相手は肩、肘の関節が極まって前のめりになって潰れる。これを防ぐためには、肘が曲がらないように力をいれて踏ん張ることだ。しかし、踏ん張った瞬間に相手はこちらの打撃技に無防備になり、結局は技がかかってしまう。しかし、それでは面白くない。突き蹴り無しで技をかけるにはどうするか?とにかく相手の肘を逆L字に屈曲させればいいのだから、自分の腕を相手の肘の内側に思いきり突きあげるように当てることだ。しかし、これで相手の態勢も起き、自分の重心が浮き上がるようでは、関節技はかからない。支点がずれるからだ。そこで、次上げるのは上ではなく、右斜め上横に向けて突き上げることにした。自分の重心は上にではなく、右斜め横に移動させる。イメージで言えば腕は斜め上に突きあげて、腰は水平に移動する。こうすれば、力の合成が起こり、相手は肘を逆L字にさせられたままさらに後方に引かれて、自分の重心バランスを保つことができなくなる。そこで取って返して、足を相手の右斜め前に踏み出して、同時に自分の重心を垂直に落とす。こうすると肩、肘の関節が極まって下方に潰れていくことになる。これを相手が破るには、逆L字にさせられた前腕、これは真下に向いているのだが、これを前方に力を込めて自分の拳を振り出すようにすると、関節は極まっても体は潰れず立ったままでいることができる。こちらがそれでもかかるようにするためには、相手が前腕の角度を変え、拳を前方に振り出すことができないようにすればいいので、単純に左手で相手の右手首を押さえれば、動かせないのでそのまま技がかかる。先生はこの左手で相手の右手を固定するのに、自分のお腹を使ってやっていた。つまり、相手の前腕の角度を変えさせないために、相手の右体側と自分のお腹のあいだに相手の右前腕を挟んで入れておくようにして技をかけるのだ。これが熟達すれば、右腕一本でこの技をかけることができる。しかし、お腹が出ていなければ、それは不可能だ。お腹がポッコリ出ていてはじめて使えるテクニックである。残念ながら、私はできないので、両手でやるしかない。それでも、右腕一本でやる方法は探っていきたいと思う。次はまた行気の別の応用法。相手が右上段突き。こちらは行気と同じ動き。左右の手を時計回りにまわしながら、相手の攻撃を下に回し落とす。同時に相手の右外側に歩を進める。相手は前方につんのめるように巻き落とされる。こちらは相手が踏ん張って態勢を立て直すのを待ってあげる。その態勢を立て直そうと前足が床を踏んで上半身が起き上がろうとする瞬間をとらえて、右手で相手の右肘外側を右斜め前方に押す。こうすると相手は左斜め後方に吹っ飛んでいく。この時大事なのは、相手が態勢を立て直す瞬間に発勁すること。これが遅れたり速かったりすると相手は吹っ飛ばない。あとは、相手の体の正面を推すのではなく、相手の体の右側面を推すこと。こちらの体の角度は相手の体の角度と一致し、直線で斜め右45℃の角度でつながること。つまりこちらも右半身、相手も右半身。こちらの右半身を相手の右半身にぶつける要領で腕を推す。この時、自分の腰にひねりが入ったり、相手との角度が直線的にならなかったりすると、この技はかからない。ちょうど、子供のころに遊んだクラッカーのようなイメージだ。糸で下に垂れ下がったボールが、隣のボールに打ち付けられる。そのボールは横に振られる。しかし、この糸が途中で曲がって固められていたら、うまく相手のボールの芯をとらえられずに大きくは振られないだろう。同じ原理だ。以上で午前中の稽古は終わり。秋晴れのさわやかな一日でした。とても気分よく稽古できたと思います。みなさん、お疲れ様でした。