こころゆたかに

　１冊目はこちら。

　　　　　　　　
　　　　　　　何とかなるさ！　　山崎直子

　４月に宇宙へと飛び立った日本初のママさん宇宙飛行士、山崎直子さんのエッセイ。
　テレビで山崎さんを見て、芯が強そうでありながらもとても柔らかくて素敵な方だと思い、読んでみたくなった本。
　印象通り、とてもまっすぐな人で強いけれど、同時に柔軟さがとてもあり、人やさまざまな物事を受け入れることが上手。そして常に家族や同僚はもちろん、そこから波及してつながっていくたくさんの人々と人に対して表面だけでなく奥にある気持ちというものをくみ取り、そして感謝の気持ちを常に忘れない人だと思いました。
　いろいろな困難にぶつかっても夢を手放さずに乗り越えてきたことや、どこか楽天的な物腰からは、読んだ後に「うん、何とかなるさ！」と題名通りに自分でも思わず口に出して言いたくなるような気がします。
　宇宙飛行士になるまでや訓練のことなどはもちろん、何より家族のことについて多く書かれていて、家族や夫婦のあり方、物事のとらえかたを改めて見つめ直させてくれた気がします。

　２冊目は

　　　　　   『ぼくらの地球』　　川北義則

　　"自然を観察していると、生き残るための生物の知恵には本当に驚かされる。まさにワンダーな世界だ"　～まえがきより～　

　そのワンダーな世界の具体例を様々な植物や動物、昆虫の生態から教えてくれます。　　　　１００度以上の暑さにも、マイナス１１０度の寒さにも耐えられ、また真空でも放射線を浴びても生きながらえるクマムシ。生涯で初めて会ったメスに精子の詰まった体の一部を切り取り預け、自らは死んでいくアオイガイというタコ、などなど世の中には驚かされる生き物がいっぱい。初めて知ることが多く、子どもたちにもいろいろ紹介すると驚いていました。　　　　

　単に知識だけを教えてくれるのではなく、著者からの視点がよく分かるし、ユーモアも折り込んであるのが面白いところ。人間が自然から学ぶことはいっぱい。著者の謙虚な気持ちが感じられました。