カテゴリ:砂的博物誌
柿本人麿の歌に詠まれた壱市(いちし)の花とは、彼岸花のことをいう。 彼岸花は日本在来種で、そのほか朝鮮半島や中国に分布し、仏教との関わりから、 日本では彼岸花とか曼珠沙華とも呼ばれ、隣国の韓国では相思華(サンチョ)と呼ぶ。 相思華の名の由来は、花の時期には葉がなく、花が枯れたあとに葉が出ることから。 花は逢えない葉のことを想い、葉は出逢えなかった花のことを想い続けるという。 こうした、少し哀しげな恋心に喩えて、韓国では相思華と呼ぶそうだ。 根に、リコリンという毒の成分があるけど、リコリンは水溶性のため水に流れやすく、 日本では、根からデンプンをとって飢饉に備えたこともあったそうだ。 例年だと、ちょうど彼岸の頃に一斉に咲いたもんだが、最近は開花が不揃いになった。 不意の大雨や、大型化する台風。地球温暖化は、この辺りにも影響を及ぼしはじめ、 山野の生態系の乱れを随所に感じてしまう。 日本の美しい四季の彩が失われつつあるのは実に淋しいことだね。 え? 昨日とはブログ内容が一変してるって。 何か?(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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