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ないものねだり

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2011.10.01
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カテゴリ:砂的博物誌
(白い彼岸花 砂天狗)


Les sanglots longs
Des violons
 De l'automne
Blessent mon coeur
D'une langueur
 Monotone.

Tout suffocant
Et bl?me, quand
 Sonne l'heure,
Je me souviens
Des jours anciens
 Et je pleure

Et je m'en vais
Au vent mauvais
 Qui m'emporte
De??, del?,
Pareil ? la
 Feuille morte.



秋の日の
ヴィオロンのため息の
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。

鐘のおとに
胸ふたぎ色かへて涙ぐむ
過ぎし日の
想いひ出や。

げにわれは
うらぶれて
ここかしこさだめなく
とび散らふ
落葉かな。


(ポール・ヴェルレーヌ)



何となく物寂しかったり、人恋しくなったり... 
そんな、秋の情景を映す詩といえば、ポール・ヴェルレーヌ「秋の歌(落葉)」
砂は秋になるとこの詩を思い出すというか、これしか思いつかない。(笑)


とくに有名なものは、上田敏の訳詩集「海潮音」に紹介されるベルレーヌの訳。
誰かが奏でる、ため息のようなヴァイオリンの切なく哀しげな音色が、
街角に流れて聴こえてくるとも思える秋の黄昏の情景...


そんな、静かな情景をリアルに思い描くことができる名詩だと思う。
ポール・ヴェルレーヌが二十歳のときの作だというから驚きだ。


同じ詩を堀口大學が訳すと...
「秋風のヴィオロンの節ながき啜り泣き もの憂きかなしみに わが心傷つくる...」となって、
また少し味わいが変わるね。


ともあれ、秋という季節は美しくもあり、ヴァイオリンの音のように切なげな、
悲哀の表情を合わせ持ってて、夏という「動」の季節から冬の「静」の季節へと変わる、
そんな境目にあって、人は何かを失くすような寂しさを覚えるんだろうね。


ヴェルレーヌの詩といえば、1944年6月6日の夜明けの北フランス。 
15万6,000人連合軍がノルマンディー上陸作戦を決行し、迎え撃つドイツ軍は、
海岸線に無数の地雷を埋設、のちに史上最大の作戦と呼ばれる戦闘が火蓋を切った。 
この死闘の前に、作戦を知らせる暗号に、この詩が使われたのは有名な逸話だ。



さて、みんなにとっては、どんな秋なのだろうか... 
砂にとっては、ここ数年、体調が厳しくなる秋なんだ。
五年前の秋は、無理を重ねて倒れて、マジで死にかけたよ。(笑)
だけどね、現職の間に命が尽きるってさ、働く者には本望じゃないかな。



今日、二年振りに白い彼岸花をみつけた。
珍しい花をみつけると、誰かが掘り返して持っててしまうから、
散歩道では、しばらく見られなくなってしまってたんだ。
花はそこに咲いてこそ美しく、誰もが眺められるのに...












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Last updated  2011.10.01 22:56:54
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