カテゴリ:砂的博物誌
"ほととぎす"というと、まず真っ先に思い浮かぶのは小さな野鳥だね。 野鳥のほととぎすは、古くから様々な日本文学にも登場し、杜鵑、時鳥、子規、 不如帰、杜宇、蜀魂、田鵑などと、鳥の方には漢字の表記が沢山ある。 中でも、砂が一番好きな字は不如帰かな... あの、正岡常規(つねのり)は、明治二十二年(1889)五月、はじめて喀血した後に、 自らの薄命を悟り、この野鳥の名になぞらえて俳諧の号を子規と名乗った。 この頃の正岡子規は、どんな心境だっただろう... ほととぎすは植物にもあって、漢字では杜鵑草と書くそうだ。 これは、花の紫色の斑紋が杜鵑の胸の斑紋と似ていることから。 でも、野草のほととぎすに、あえて不如帰草と表記しないのは何故だろう? 鳥よりもなお命短い野花には、あまりにも儚く切ないからだろうか... 杜鵑草の斑紋は、大きさの違いから横縞模様まで色々なものがある。 ユリ科 ホトトギス属の植物は、東アジアに19種生息しているのが知られていて、 日本には13種。そのうち10種は、日本にだけ生息する固有種だそうで、 分布の様子から、日本が杜鵑草は分化の中心地と考えられている。 杜鵑草は、山野の林縁や傾斜地を好み、日当たりの悪いところにひっそりと咲く。 葉は互生して楕円形で長く、葉脈は縦方向で、表面には産毛が生えている。 今、杜鵑草の花は最盛期を迎えている。ちなみに、花言葉は秘めた意思だそうだ。 少し仕事をした以外では、何をするともなく休日を過してしまった。 時折、思い出すように起きる不整脈に老いを思い知らされて憎らしくなる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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