カテゴリ:ぶらり旅
さてと、出石の皿蕎麦を堪能して欲求が満たされたところで、 ちょこっと但馬之国(たじまのくに)の神話の話しでもしようかと... 天之日矛(あめのひぼこ)って知ってるかな? 天之日矛は、出石神社の御祭神で天日槍(あめのひぼこ)とも書く。 出石神社の由来記によれば、天之日矛が当時入江だった但馬の地を、 瀬戸の岩戸を干拓して耕地にしたんだと記されているんだ。 今の大手ゼネコンでも難しい、かなり壮大な土木事業だね。(笑) 天之日矛は、朝鮮半島から日本にやってきた渡来人の信仰した神だと考えられる。 古事記の伝承では、天之日矛は新羅(しらぎ)国の王子として生まれたそうで、 四~五世紀頃に渡来してきたといわれてる。
天之日矛は、ある日出会った一人の若者から、新羅国の沼の畔で眠る美女が、 突然虹の光を浴びて産み落としたという赤くて綺麗な玉を譲られる。 天之日矛が、もらった赤い玉を飾ると、玉は美しい乙女の姿となった。 それが、阿加留比売(あかるひめ)だ。 そこで天之日矛は、阿加留比売を妻とするが、熱々の幸せな日々も長く続かず、 やがて妻に不満をいい、妻は嘆き悲しんで天之日矛のもとを去ってしまうんだ。 家出した阿加留比売は、突然に日本を訪れ、九州から瀬戸内海地域を転々として、 なんと大阪難波に辿り着いて、最後には鶴橋で神社の祭神になったんだ。 阿加留比売は、関西では四天王寺ワッソの祭りのヒロインとして登場するから有名だ。 阿加留比売は、難波に辿り着くまで、日本各地を放浪したせいか、 西日本の各地には阿加留比売を祭る神社が今でも数多く残されている。 一方、妻に逃げられたトホホな天之日矛は、八種の神宝を携えて、 阿加留比売のあとを追って九州を目指すものの、途中で渡りの神とトラぶって、 結局は、敦賀を経て多遅摩(但馬)に上陸し、ようやく出石の地に辿り着いた。 やがて、但馬国の俣尾(またお)の娘、前津見(まえつみ)を妻に娶り、製鉄をはじめる。 天之日矛は新羅の優れた技術を伝え、近畿北部の但馬の地に、鉄器文化を築いた。 天之日矛とその一族の記述は、日本書紀や播磨風土記などにも登場する。 鉄をはじめとする先進技術を持ち、神話の時代に不思議に満ちた古代史を彩るなど、 近畿地方北部に相当な勢力を持つ集団のトップであったことが推察できる。 ただ、どの古文書の記述にも、阿加留比売と、彼女がその後どうなったかについては、 まったく伝えられていないんだ。砂は、そこが妙に気になる... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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