テーマ:詩&物語の或る風景(1048)
カテゴリ:砂的古典文学のススメ
誰 家 玉 笛 暗 飛 声 散 入 春 風 満 洛 城 比 夜 曲 中 聞 折 柳 何 人 不 起 故 園 情 誰が家の玉笛か、暗に声を飛ばす。 散じて春風に入り、洛城に満つ。 此の夜、曲中に折柳(せつりゅう)を聞く。 何人か故園の情を起こさざらん。 <砂浮琴 訳詩> 誰の家からだろうか、春の闇に笛の音が聞こえる。 笛の音は、春風に乗って洛陽の城郭を満たした。 今宵、笛が奏でる曲中に「折楊柳」の一曲もあった。 この曲を聴いて、故郷を想わない者はいないよな。 昔の中国では、旅立つ人に柳の枝で輪を作り、息災を祈って手渡す習慣があった。 輪は「環」と解釈されて、環には「元の場所に帰る」の意味もある。 こうして、別れの日に無事の帰還を願って手渡したんだろうね。 こうしたシチュエーションを歌(曲)にしたのに、「折楊柳」という歌がある。 これにちなんで、別れのシーンを詠んだ漢詩ではよく登場する言葉だ。 折柳、楊柳、折楊柳などは、同じくこの歌を指して引用したものだ。 この歌を聴くと、誰もが故郷を思い出して懐かしく思うようだ。 まだまだ、肌寒さが残る神戸の街外れで、ミモザの花が目に留まった。 ミモザはマメ科の植物で、和名では房(ふさ)アカシアと呼ぶ。 同じアカシアの種類には銀葉(ぎんよう)と呼ばれるアカシアもあるけど、 ミモザは房アカシアの方だ。 葉と樹皮部にはタンニンが含まれ、花は香料としてよく用いられる。 溶剤を用いて花の部分から抽出した精油はアブソリュートと呼ばれて、 ストレスの軽減や皮脂をコントロールする働きや、抗うつ作用があるそうだ。 暦ではもうとっくに春だけど、今年は例年よりも肌に感じる春は遅いね。 梅とミモザと水仙が、同じ時期に重なって咲くのを観たのは久し振りだ。 部下のエリカとR子が、休暇でサイパンへ行くのに関空まで砂に送って欲しいんだと。 「送って欲しい♪」ということは、遠回しに「お迎えもネ」って意味にならないか? 休日の早起きは苦手なんだけどさ...(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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