カテゴリ:砂的博物誌
早ければ、真冬に花を見せる寒桜(かんざくら)みたいな桜もあれば、 ほとんどの桜が散ってから咲く、5月の犬桜という品種もあるし、 極端だと、10月に咲く十月桜や、春と冬に咲く不断桜なんてのもある。 おもな品種の標準的な時期はというと、河津桜は2月下旬から3月中旬、 続いて大島桜、3月下旬頃が山桜で、4月初旬になると伊豆吉野や染井吉野、 帝吉野(みかどよしの)、少し遅れて白雪や三島桜、枝垂れ桜、紅枝垂れ、 4月後半は、琴平(ことひら)や福桜、天の川、八重桜、紅玉錦てな感じ。 だけど花にだって"個体差"はあるし、標高や緯度の違いでも変わってくる。 とくに、気候の変化で、大きく狂ってしまうこともあれば、 花の少ない年もあるし、溢れるほど花数が多い年だってある。 考えれば、人だって早咲きもあれば、遅咲きもあったりする。 世の中には、期待されながら"蕾"のまま腐ってしまうのもいるしさ。(笑) 話を河津桜に戻すけど... ちょっと調べてみると河津桜の花言葉は、 桜の花言葉は、「優れた美人」「純潔」「精神美」「淡泊」というらしい。 【土佐鶴】超特別限定品『山田錦純米大吟醸』花見酒に最適♪ 1.8L 先日もblogに書いたけど、河津桜の名前は静岡県河津町に由来する。 河津桜には、小さな物語があるんだ。 それは昭和30年頃のこと...河津川流域の地区に飯田勝美というお爺さんがいた。 とある2月の暖かい日、勝美お爺さんは散歩していた豊泉橋の上流辺りで、 冬枯れの雑草にまぎれて芽吹いていた、一本の小さな桜の苗木を見つけた。 河津桜の物語は、この苗を自宅に持ち返って庭先に植えたことがはじまりだ。 可愛がって育てた桜は、約10年後の昭和41年1月下旬に花をつけ、 その花が咲くのを見届けて、勝美お爺さんはその年の4月に永眠した。 後に、綺麗に咲く桜を見て、譲って欲しいという人もいたそうだけど、 お爺さんの思い出のために、家族は手放さなかったそうだ。 桜は、当時の飯田家の屋号から小峰桜と呼ばれ、近隣の人に親しまれた。 昭和49年、その後の調査で新種と判明して、河津町で生まれたこの桜は、 「河津桜」と命名され、昭和50年には「河津町の木」にも指定された。 河津桜は人気となり、この地だけに留まらず全国に広がったけど、 お爺さんが植えた桜は「河津桜の原木」として、お爺さんの思い出とともに、 今も河津の地で、毎年綺麗な花を咲かせている。 たった一本の桜にも、素敵な物語はあるもんだね。 つくづく、日本っていう国は素晴らしい国だって思うよ。 砂にも、想い出の桜があるけど、その話はまた今度にしよう... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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