649528 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ないものねだり

ないものねだり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2012.04.14
XML
カテゴリ:砂的博物誌



花骸

(花骸 砂浮琴撮影)

散り際の桜の美は、春のもう一つの見どころ。
昨夜の雨は、今年咲いた桜にとっては"野辺送り"の儀式。
花びらを洗い清める、花散らしの雨となったようだ。


桜の花の美しさは、枝いっぱいに咲いた花だけではない。
春を謳歌し、季節の役目を果たし終えた、花骸(はなむくろ)さえ美しい。


古(いにしえ)の日本人の美意識に共鳴するには、
感性を鋭くするために、視点を変えて貪欲に味わえばいい。


  染井吉野


  願はくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの 望月のころ (西行法師)


満月、花、涅槃会の死は、仏教者には理想であり美学だったんだろう。
西行法師が生きた時代には、花といえばすでに「桜」の世だった。


二月十五日は釈迦入滅の日で、涅槃会(ねはんえ)の行われる日だ。
死ぬなら釈迦の命日に、できれば桜の花の下で命を終えたいと願い、
西行は歌にそんな想いを込めたのだと思う。


水面の花弁


西行の時代の二月十五日を今に換算すると、三月二十四日前後だそうだ。
例年だと、山桜が咲きはじめる頃だろうか...



史実によれば、西行法師はその願い通り、建久元年二月十六日に没した。
今生の別れの桜を、きっと目に留めたに違いない... 
まるで、それは桜のように見事な最期だね。














お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.04.14 22:25:47
コメント(6) | コメントを書く
[砂的博物誌] カテゴリの最新記事


PR

Profile

砂浮琴

砂浮琴

Calendar

Headline News

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.
X