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ないものねだり

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2012.05.29
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カテゴリ:砂的つぶやき



ほら

雨の前の静かな空気

深く見える森

筆先の薄墨を ぽつんと垂らしたような空の滲み

木も花も草も 行儀よく雨を待つ


ほら

雨の降る前の風の穏やかさ

湿り気を帯びて

心なしか いつもより軟らかく頬に感じる風


ほら

遠くで雨蛙の啼き声が

もう直ぐだと知らせてる


まだかまだかと 牧草がさわさわ囁く

ぱちぱちぱち

土間の竃に火の入る音

遠い昔の 記憶に残る雨の気配



シダ01.jpg


小さい頃から、雨の降りだす前の静かな空気感が好きだった。
竃のある土間の敷居に腰を下ろして、紀ノ川の風景を見ていた...


そんな、雨の前のあの情緒的な風景はドコへ消えたのだろう?
今日も、一気に掻き曇り、バケツで撒くような雹交じりの雨が降る。


砂の思い出のページに、ゲリラ豪雨という言葉は一行もなかった。


自然の営みと人との関係は、今も遥か太古も同じだと思う。
防災のため、人命のためにと、各地で護岸工事も盛んになったけど、
動植物の生きる場を奪うことが、果たして人が行なうべきことだろうか。


シダ02.jpg


花一つをとっても、容易に推し量ることができる。


人が、庭先に植えた洋花が野生化し、日本古来の生態系を破壊し続け、
固有種や在来植物に深刻なダメージを与えつつある。


数千年、数万年の間、この国の植物はただ山野に生きていただけではない。
山野に根を下ろし、繁殖することで、この国の気候風土だけでなく命も支えた。
古代も、災害は幾度となく起きたけど生態系が防御再生をしてきた。


人の意図で植えられた、花壇の花から学ぶことはないけど、
自然に生きる植物からは、様々なことを教えられる。


花は、そこに咲いてこそ美しい...
だけど、ただ美しいだけじゃなく、そこに咲くことで機能している。


人が、価値観を見出して築くものは、新たな災害を生む温床になる。
人が創り出すものは、自然の営みに相反するからだろう。
自然を支配した気でいる人の驕りは、地球規模で観れば陳腐だ。



この国の美しい気候風土と、精神文化を破壊しているのは日本人だと思う。
今の世代は、過去に人が重ねた破壊の贖罪をするのだとも思う。















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Last updated  2012.05.29 13:11:38
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