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2012.06.01
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カテゴリ:砂的博物誌



潮かをる 北の浜辺の砂山の かの浜薔薇よ 今年も咲けるや (石川啄木)


ハマナスの花.jpg

(?瑰 砂浮琴撮影)

英名でJapanese Roseというと、?瑰(はまなす)の花。
和名の由来は、浜に生えて果実がに似ていることから浜梨(はまなし)と呼ばれ、
「なし」「なす」に訛ったというのが由来らしい。


植物名の漢字で、一般的によく使うものなら浜茄子だと思う。
でも、あえてblogでは、?瑰(はまなす)としてみた。
和名の当て字としてはこの漢字が一番相応しいと思う。


  


?瑰は東アジアの温帯から冷帯にかけて分布するバラ科の植物で、
野生では北海道に一番多く、西日本では鳥取、島根など日本海側に少し自生する。
5月から9月にかけて、花と実が楽しめ、通常、濃いピンクだが、白花もある。
元来、海浜性植物なので潮風や乾燥にも強く、鋭い棘が密生して痛い。


花後の果実はローズヒップと呼び、ビタミンCを多く含み食用にされる。
香りはないけど、甘みと酸味があって、お茶やのど飴にも利用され、
中国では、蕾を茶にした美容茶の?瑰花(メイグィファ)が有名で、湯を注ぐと花が咲く。



  


日本の?瑰には、世界のバラ栽培歴史を動かした事実がある...
そもそも、西洋では17世紀頃からバラは薬用として栽培がはじまったそうで、
ナポレオン1世の妃ジョセフィーヌは、バラ栽培に夢中だったとか。
しかし、当時の洋バラは見た目もショボく、病害に弱くて栽培が困難だった...


鎖国していたとはいえ、わずかながら長崎へは外国人が出入りしていて、
その中に、オランダ商館医のケンペル、植物学者で医師のツンベリー、
そして、医師であり博物学者でもあったフォン・シーボルトもいた。


シーボルトらは、西洋では珍しい日本や中国の植物を多く持ち帰っている。
その中に、中国の長江産のバラと、日本の?瑰(はまなす)が含まれていて、
ヨーロッパの人々は?瑰の強靭さに驚いたという。


後に、?瑰と洋バラと掛け合わせることで、バラ栽培は飛躍的に向上し、
様々な品種がつくられ鑑賞用の園芸に発展した。



こうしてバラ栽培は確立され、今も世界中で新品種が生まれ続けているけど、
そうした洋バラには日本の?瑰のDNAが息づいているんだ。












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Last updated  2012.06.01 12:42:30
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