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2012.06.18
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カテゴリ:砂的博物誌



五月雨に 池のまこもの水まして いづれあやめと 引きぞわずらふ (源頼政)



花菖蒲01

(花菖蒲 砂浮琴撮影)

鵺(ぬえ)退治で名高い源頼政には、武勇に似合わない恋話が残されている。
頼政は、鳥羽院に仕える菖蒲前(あやめのまえ)という美女に一目惚れし、
それが鳥羽院の耳に入って、院はちょっとした悪戯を思いついた。


鳥羽院は、菖蒲前とそっくりの女官に同じ着物を着せ、頼政に見分けるよう命じた。
頼政としては、思いを寄せる菖蒲前の手前、間違えることはできない。


そこで頼政は、面白がって答えを急かす鳥羽院に対しこの歌を詠んだ。
歌に感心した鳥羽院は、源頼政のために菖蒲前との仲をとりもったという。


「いずれが菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」という諺はこうして生まれた。
菖蒲と杜若が見分け難いように、物事の区別しがたい様子を表わし、
さらに、いずれ劣らぬ美しさを讃える意味にも使われる。


花菖蒲02


ところで、見分けが難しい菖蒲(あやめ)杜若(かきつばた)
そこへ、花菖蒲アイリスなんかが加わるともう頭痛がしてくる。(笑)


端午の節句の菖蒲湯に用いるのは、サトイモ科の植物で、
蒲(がま)の穂のような花が咲く、まったく別の植物なんだ。
根に芳香があって、古くから邪気を祓うものとされ、
尚武(しょうぶ)や勝負にかけて、武士の縁起物とされた。


漢字だけだとしょうぶあやめなのか皆目判らない。
どうも「菖蒲」という字が混乱の元凶だと思う。


菖蒲(あやめ)は、陸上の乾燥地を好み、草丈30~60cmほどで比較的小型。
葉は細長く平らで直立し、花は5月中旬~下旬に咲き、花弁の元に網模様がある。


花菖蒲03


花菖蒲(はなしょうぶ)は、半乾燥の土壌から湿地に生育して、
杜若に比べて乾燥地にも生育できる植生を持つ。
草丈は80~100cmで、葉の真ん中に隆起した太い葉脈を持つ。
花の色も多く、5月下旬~7月初旬にかけて大輪の花を咲かせ、
花弁の元にはっきりとした黄色の菱模様があるのが特徴。


杜若(かきつばた)は、この中では一番湿地を好んで生育する植生がある。
草丈はちょうど中間の50~70cmほどで、葉は長く花菖蒲に比べて幅広い。
花は中輪で、花弁の元には白または淡い黄色の細い模様が見られる。


ということで... 
うちの庭に咲いたのは花菖蒲(はなしょうぶ)ということになった。
ついでに、品種も調べると、江戸紫という品種の花菖蒲らしい。
こんな苦労をするなら、来年は杜若も菖蒲も話題にしないようにする。(笑)














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Last updated  2012.06.18 22:15:29
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