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ないものねだり

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2012.07.08
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小学六年生の夏、少しばかりゾッとした記憶がある...

写真1.jpg


砂の通った小学校は漁港を見下ろす高台にあって、
裏には鎮守の森があって、小さな神社があった。


砂と、貞清(さだきよ)と、国松(くにまつ)と、六右衛門(ろくえもん)と、
政子(まさこ)と、美沙(みさ)の6人は仲良しでよく一緒に遊んだ。


貞清は皆からサダ、国松は松っちゃん、政子はマコ、何故か六右衛門がロクベーで、
美沙だけは美沙のままだった。(笑)


あれは、夏休みまであと20日あまりのちょうど今頃だったろうか、
仲良しだった友だち6人は、夕方から境内で"缶ケリ"をはじめた。
白熱したじゃんけんの末、はサダに決まった。


みつかりたくなかった砂は、少し頭を使ってみた。
そして、砂はわざと鬼のサダが缶を置いた直ぐうしろの大きな楠に登って、
太枝に乗っかり、葉の茂みの間から鬼を見下ろす位置に就いた。


サダは、砂が自分の真上にいるなんてことは考えも及ばない様子で、
樹にもたれて、どうやって全員を見つけるかと作戦を練っているみたいだった。
全然、気づいていないのが面白く、笑いをこらえるのに必死だった...


上から見渡すと、神社の暗い回廊の床下に美沙が巧妙に隠れてるのが見えた。


一番最初に見つかったのは、要領の悪いロクベーだった。
ロクベーと、行動を共にするマコも近くでみつかったみたいだ。


二人を捕まえたことで、サダは缶を蹴られるのを警戒し、
缶からあまり遠くへ離れなくなった。


樹の上にいる砂は動きようがなかったし、
美沙も同じで、機会を窺いサダの動きを観察してるようだった...
膠着状態のまま時間が過ぎて、辺りが少し暗くなりはじめた。


暗くなった回廊の床下で、美沙はまだじっとしていた。



つづく...













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Last updated  2012.07.08 13:33:21
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