テーマ:詩&物語の或る風景(1048)
カテゴリ:砂的古典文学のススメ
残念ながら、再び雲が厚くなって、今夜は月が拝めないが、
古来、今夜の月を待宵(まつよひ・まつよい)の月という。 旧暦の八月十四日の夜、またはその夜の月を指す言葉で、 望月に、わずかに満たないため、小望月(こもちづき)とも呼んだ。 十五夜が満月だとしても、前夜の月の風情もまた趣がある。 この歌を残した大宮小侍従(おおみやのこじじゅう)は、 平安末から鎌倉にかけての歌人で、女房三十六歌仙の一人。 鴨長明が、、「近く女歌よみの上手にては大輔、 小侍従とてとりどりにいはれ侍りき」と、 人気女流歌人として紹介している。 当時、小侍従と人気を二分していたのが殷富門院大輔。 二人はライバルだったが、仲のいい友でもあったようだ。 鴨長明は、しっとり落ち着きのある大輔に対し、 小侍従はいつも華やかで、驚かせる表現が得意、 誰よりグッとくる返歌の名手だと褒める。 小侍従は、きっとオトコにモテたろう... 平家物語に記された逸話などから、 待宵の小侍従としても知られる。 ちなみに、明日は中秋だけど、今年の満月は28日だそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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