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ないものねだり

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2015.09.28
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カテゴリ:砂的博物誌

写真は、昨夜の月を撮ったもの。
月も、昇りはじめと天頂では、色も明るさも異なる。

DSCN0902.jpg

何故なら、見る位置からの距離と角度に加え、
大気密度と光の屈折率が関係している。

月の出からしばらくは、赤みや黄みを帯びて、
昇るにつれ、蒼さと輝きが増す。

DSCN0891.jpg

夕べは月を仰ぎ観て、ひと時を楽しむ人も多かっただろう。

月見とは、文字通り満月を楽しむことで観月ともいう。
決して仲秋だけという訳でもなかったようだ。

観月は、奈良時代頃にはじまったという。
平安時代ともなれば、盛大なに盛りあがり、
公卿たちは社交儀礼に備え、歌など詠んで教養も磨いた。
やがて観月は、権力を誇示する道具ともなる。

DSCN0912.jpg

都人の観月は、池や杯に映る月を愛でるのを風流とした。
確かに、水面に照る月の輝きはことのほか美しい。
しかし、その理由は他のところにあるようだ。

権力者たちは、見あげることを嫌ったためともいわれる。

そんな、政治の駆け引きにまで使われた観月の宴も、
江戸の頃には月見として、庶民の娯楽へと広まった。

京都の月見では、三宝(さんぼう)に里芋を供え、
芋に刺した箸の穴から月を眺めるというような、
ちょっと風変わりな風習もあるそうだ。

月見に飾る周々木(すすき)は、稲をイメージしたもので、
五穀豊穣を願い、供物の団子は収穫の感謝を表わす。
地方では、代わりに秋の稔りを供えるようだ。

DSCN0908.jpg


月見飾りは心の問題で、厳格なルールはない。
用意できるものを供えれば、それでイイのだと思う。

意外だろうが、砂浮琴は四季の祭事を意識する。
それで自然を忘れず、畏敬の心を失わないと思うから。

我が家では、何をする訳もなく適当に飾る。
薄と萩、または藤袴(ふじばかま)を徳利に活け、
和紙の上に菓子を盛る。

時は如何に移ろえども、人は闇を照らす月に畏敬を抱き、
それぞれの時代に相応しい形で月を楽しむ。
日本人の感性は素晴らしいよね。





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Last updated  2015.09.28 14:40:50
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