カテゴリ:理屈っぽい時間・・・
溝蕎麦は、蕎麦屋の屋号ではない。
蕎麦とつくと、つい食欲を刺激されるが、 頑張ってこねたとしても、蕎麦にはならない。 水際など、湿地に群れ咲く野草のことだ。 溝蕎麦(ミゾソバ)は、タデ科イヌタデ属の植物。 学名では、Polygonum thunbergiiというらしい。 溝蕎麦は、昔の風流人も題材にしなかったようで、 和歌にも俳句にも、詠まれた形跡はない。 そもそも、食用蕎麦の伝来は奈良時代以前だという。 教養のある都人が、蕎麦を知らぬハズはない。 蕎麦に似た、この花を放っておくハズはないが、 なのに、和歌に詠まなかった訳は何であろう。 あの、臭くて嫌われ者の"ヘクソカズラ"ですら、 和歌には登場するのだ。 好きも嫌いもなく、ただ興味がなかったに違いない。 この花が、少しばかり不憫に思えてくる。 日本では、北海道から九州まで生息して、 かなり活動範囲が広いことが窺える。 いつ頃、溝蕎麦と名づけられたのだろう。 溝蕎麦に問うても返答はない。 答えられても、逆に怖い...(霊?) 撮影に足を踏み入れると、小さな棘が厄介だ。 痛くはないが、足を捕られてかなり鬱陶しい。 歌に詠まれぬ理由は、こんなところかも知れない。 などと、書いているうちに、 温かい蕎麦が恋しくなったではないか。 但馬地方は、そろそろ新蕎麦が味わえる時期。 週末は、出石辺りで蕎麦など食すとしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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