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ないものねだり

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2015.10.16
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カテゴリ:砂的博物誌
油点草という名に、聞き覚えはなかった。
少なくとも、自分の記憶にはない。

DSCN1412.jpg
(油点草 砂浮琴Photo)

未だに、はじめて名を知る花も少なくないが、
油点草ほど、意外に感じたのは初めだ。

 DSCN1375.jpg

自分も含め、大抵の人はこの花を杜鵑草(ほととぎす)と呼ぶ。
しかし、それはどうやら俗称であったらしい。

油点草(ゆてんそう)は、花弁に油を落としたような、
があることに由来する。


また、花の斑が杜鵑の羽毛の模様に似ることから、
同時に、杜鵑草(ほととぎす)の名でも呼ばれたという。

 DSCN1397.jpg

昔、ある山里に、二人きりの兄弟がいた。
とても貧しい暮らしぶりで、兄の方は盲目でもあった。

弟は、不自由な兄のためにと山奥へ分け入り、
来る日も来る日も、山芋を掘って戻った。

弟は、柔らかくて美味い芋は兄に与え、
自分は硬くて不味い芋を食べた。

ところが、盲目の兄は、弟が自分を欺き、
美味い芋を独り占めしていると邪推する。
そして、兄は弟を刺し殺し、腹を切り割いた。

弟の腹から出たのは、硬い芋ばかりだった。

兄は、自分の愚かさを悔いた。
いくら悔やんでも、もう弟は帰ってはこない。
それでも兄は、吾が身を悔いて泣き続けた。



「弟恋し、弟恋し 弟恋し」と泣き続け、
やがて、兄は一羽の杜鵑になったという…

越後地方では、杜鵑が鳴くと山芋の芽が出るといわれ、
人々は、杜鵑が死者の言葉を伝えると考えていた。

幸い、自分には兄弟はないから、刺されることはない。たぶん...









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Last updated  2015.10.17 02:28:17
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