カテゴリ:砂的博物誌
十日夜(とおかんや)をご存知だろうか。
北関東を中心に、十日夜という風習がある。
この風習は、北関東から甲信越や東北にかけて分布し、 西日本の刈上げ行事の亥の子亥の子とも類似するほか、 かかしあげなど、各地に似た習慣が存在するようだ。 十日夜は、一年の収穫に感謝して、田んぼの神様に餅を供え、 藁を束ねて藁鉄砲を作り、地面を叩いて唱えごとをするそうだ。 かかしあげは、田んぼを守った案山子に供え物をして、 月見の接待をする行事だそうだ。 十日夜だけは、月見が主役ではないため月齢に関係なく、 新暦の11月10日と定めて実施する地方が多いのだが、 本来、旧暦の十月十日に行った風習で月も愛でた。 明治以来、その利便性からグレゴリオ暦を重用するが、 一方で、国の根幹だった稲作に関連する習慣が薄れつつある。 美しい風土とともに生きた、歳時文化が徐々に廃れるのは、 日本人として、とても残念な気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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