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カテゴリ:砂的 映画あれこれ
魅惑的な仮面 ベルガモの衣裳 リュートを奏で 踊りゆく 幻想的な仮面の下に 悲しみを隠し 恋の勝利や 人生の成功を 彼等は 短調の調べにのせて歌う その幸福を 信じる素振りもなく その歌は混ざりあう 月の光りに 悲しく美しい あの月の光の静寂に 梢の鳥たちを 夢に誘い すらりとした 大きな大理石の噴水を うっとりとすすり泣かせる あの月の光に 「月の光」ポール・ヴェルレーヌ 19世紀の詩人ヴェルレーヌは、芸術家として成功を収めたが、 一人の人間としては破滅の人生を送った。 フランス象徴主義の詩人ヴェルレーヌ(1844~1896年)は、 同じく天才詩人ランボーとの同性愛とアルコール中毒に苦しみ、 狂乱の中でランボーに銃創を負わせて投獄される。 詩集「地獄の季節」で名を馳せたアルチュール・ランボーは、 自堕落で奔放な生き方の果てに落ちぶれ、若くして没した。 ヴェルレーヌは、彼の詩の師であり、よき友でもあったが、 やがてランボーと同性愛の関係になり、破滅の道を辿ることになる。 そんな、二人の芸術家の破滅的な愛憎の人生を赤裸々に描き、 話題になったのが映画「太陽と月に背いて」(1995年)だった。 当時20才のレオナルド・ディカプリオがランボー役を好演し、 ワルシャワ出身のアニエスカ・ホランド監督の演出が冴える。 原題のTOTAL ECLIPSEとは、皆既食の意味。 ある日、ヴェルレーヌのもとへ、ランボーから一篇の詩が送られてきた。 その詩に、とてつもない才能を見出したヴェルレーヌは彼を呼び寄せ、 やがて、その才能と美貌に魅せられ、倒錯した世界へ落ちて行く... 冬の夜は、アーティスティックでハイセンスな映画も悪くない。 砂浮琴の映画評価は★★★☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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