649040 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ないものねだり

ないものねだり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2015.12.10
XML
テーマ:お勧めの本(7364)
カテゴリ:砂的つぶやき
永遠の変なおじさんが、本当に蛍になってしまった...


あの、作家の野坂昭如氏が、都内の病院で亡くなったという。
ここしばらく、メディア露出もなくなり気になっていた。

以前の、あのTV放送中の大島渚監督とのマジ喧嘩は面白かった。
酔っ払ってる風で、グダグダ文句をいうオヤジ振りが好きだった。

一番笑えたのは、俗に四畳半襖の下張裁判といわれた事件だった。
永井荷風の春本「四畳半襖の下張」を主催雑誌に掲載して摘発され、
性描写を巡って最高裁まで争ったことだろうか。

裁判では、五木寛之、井上ひさし、吉行淳之介、開高健、
有吉佐和子など、著名作家を証人申請して話題を集めた。

  

永井荷風の「四畳半襖の下張」は、奇妙な設定と特殊な文法で知られる。
購入した民家の襖の下張から、春本を見つけたという第三者の視線なのだ。
「はじめの方は、ちぎれてなし」という冒頭が、如何にも芸が細かい。

内容は、いわば中高年の好色男の回顧禄で、性遍歴で変化する心情が綴られ、
女房との芸者時代から、結婚後の性の営みの様子が生々しく表現されている。

そんなハチャメチャな人だが、文壇の業績は驚くほど輝かしい。

野坂氏の文芸は、常に底辺を掘り下げて描く、リアルな社会派なのだ。
「火垂るの墓」「アメリカひじき」などの小説だけに留まらず、
焼け跡闇市派と称して、ヒット曲「黒の舟唄」などでも知られた。

その後、野坂氏の中では、男と女の間の川は埋まったのだろうか。
ともかく、生涯やんちゃで愛すべきロクデナシの御仁だった。

「おもちゃのチャチャチャ」の作詞者というのは知らなかった。
どう見ても、子供向けとは思えないのだ...(笑)








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.12.10 15:05:13
コメント(10) | コメントを書く
[砂的つぶやき] カテゴリの最新記事


PR

Profile

砂浮琴

砂浮琴

Calendar

Headline News

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.
X