テーマ:オトコの手料理(3267)
カテゴリ:食べ物あれこれ
午後遅くに、クロネコ便で荷物が届いた。
受け取った荷物は、発泡スチロール製の大きな容器だった。 耳を近づけると、何やらカサカサと音がする。 私は、それほど敵はいないので、爆発はしないと思われた。 送り状の品名欄には、控えめにエビとだけ記されていた。 しかも、差出人は故郷の親戚ではないか。 こ、これは... もしかすると... 胸の鼓動は高鳴り、期待がほぼ絶好調に達した。 荷を解き、開けて見てやっぱり~♪と声が出た。 久々の伊勢海老との再会に、思わず涙が溢れそうになった。(感動の対面) 傍らで、一部始終を見ていた母は、慌てて台所へととって返し、 私にそっと、包丁と軍手を差し出した。 一も二もなく、夕食は刺身だという合図である。 これが、わが家の暗黙の了解なのである。 伊勢海老は、棘が鋭く殻が固いので、暴れるとただの"危険生物"と化す。(注意!) 一匹めは手こずったが、二匹めはコツを思い出し、要領よく捌けた。 ん~♪ やはり、ほんのり薄紅色のビジュアルが魅力的だ。 何故であろうか... 普段なら間違いなく"主采"である筈の鰤だったが、 今宵だけは、妙に鰤の存在感が薄い。(笑) 伊勢海老は、頭と殻も捨てるなどという考えはまったくない。 まとめて鍋に入れ、味噌汁に仕立てる。 人間とは、実にあさましい生き物ではないか... 早く食べたいという一心で、盛りつけはいつも以上に雑。(笑) 伊勢海老とは、エビ目(十脚目)イセエビ科に属するエビの一種で、 広義には、イセエビ科の数種類のエビを指したりもする。 その姿が、鎧武者のように立派で、美味であることから、 古来縁起物とされ、祝儀用や正月飾りや神殿への供物などにも珍重される。 また、伊勢海老は、鎌倉海老や具足海老などとも称された。 伊勢海老の名がはじめて登場する文献は、安土桃山時代の「言継卿記」。 江戸の頃、井原西鶴が諸大名が祝儀にするため、高値であると記している。 また、新年の季語にも挙げられている。 ココで、"味は想像に任せます"などと省略するとクレームがくる。(笑) 活け物は、家庭で捌くのは大変だが、味はさすがに美味。 美味い♪ 切なくなるほど美味い。 伊勢海老は、筋肉が発達しているので独特の弾力があり、 一般のエビより、食感はモチモチしてボリュームがある。 噛むほど、口の中には伊勢海老ならではの甘味が広がるのだ。 伊勢海老の醍醐味は、何といっても殻で作った味噌汁。 出汁が濃厚に出て、磯の香りが故郷の熊野灘を思い出させる。 残った伊勢海老は、クリスマスかお正月用に冷凍保存。 チーズをまぶし、テルミドールにでもして味わうことにする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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