カテゴリ:砂の魂のふるさと
昨年末、蔵を整理していて面白いものを発見した。
和綴じに、毛筆で記された曽祖父の日記と和歌が一首。 吹きすさふ 風も恨めし枯れ葵 成すべき事そ まづ成さんなり(曽祖父元服の歌) 11日の成人式を前にして、少しばかり水を差す話題になるが、 今から、143年前の明治4年1月9日は曽祖父が元服した日だったそうだ。 折りしも、明治3年に廃刀令、翌年には廃藩置県が発布される時代だった。 そんな波乱の時の中で、曽祖父は2年遅れでその日を迎え、 武家作法に則った烏帽子大紋で腰に帯剣し加冠の儀に臨んだ。 文字通り、これが我が家で最後の元服となった。 その後の、曽祖父は西南の役に従軍、日清戦争、日露戦争を戦い抜き、 秩父の連隊長を辞した後、晩年は書と水墨画に興じたりしたそうだ。 「武士(もののふ)らしく」というのが曽祖父の口癖だったようで、 武人の誇りを貫いたまま、大正9年に67才の生涯を閉じた。 現代の成人式は、マナーを解さずスピーチする賓客に暴言を吐いたり、 酒を飲んで暴れたり、およそ一人前の男子たる態度ではないと思う。 もっとも、祝辞を述べる政治家諸氏も、いずれ劣らぬ恥知らずだが。(笑) この国の魂は、どこまで堕落するのだろうか。 成人式とは、一人の人間として、社会の一員として奉公を決する日であって、 式に参加すれば成人し、自由気ままができるというものではない。 この国は、もう一度維新からやり直しすれば如何か... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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