葉隠餡

あと７日というよりあと７回いけば終わる。
あと７回。今日、一体何度、心の中で指折り数えたであろうか。

７日間とは今の派遣先の出勤日数だ。


私はいま、本当に毎日８時間黙って座ってるだけの人である。
ほぼ黙って座っている人。たまに１時間に１,２回電話がなるからそれをとるだけ。
誰も何も私に期待してないのはわかる。


何もしないでいるのは辛い。
自分の机で会社のお客様用のパンフレットを何度も読む。
またはパソコンで会社のHPを何度も読む。
それらを何千回としてるはずなのに、１行たりとも暗記していない自分。


何もしないですごすというのは本当に辛いものだと思った。


何もしないで１日過ごすといえばぱっと浮かぶのが美術館で椅子に座っている監視員の人たちが浮かぶ。でも、あの人たちは人がきたら監視しなきゃいけないから何もしてないわけではない。きちんと役目がある。
でも、自分といえば・・・何も役目がないに非常に近い状態。


そしてもう一つ。
自分は誰にも期待されていない。
こう、窓際族の人の気持ちってこうなんだろうかと思った。


別に言い訳するつもりはない。
すれ違いもあった。いや、これは最後まですれ違いだろう。
今ではトラウマ発症で毎日がびくびくして過ごしている。


どうしてもここの独特の雰囲気に馴染めず、やり方にも馴染めず。
馴染まないままでもう終わろう。手遅れだし。
ああ、所詮あと７日間だと思う。
されど７日。されど７回。
８時間×７＝５６時間。長い時間だなと思う。



以前の職場より収入が1/4下がった同僚が言った言葉を思い出す。
「生活は苦しいが、この職場は自分を必要としてくれるから居心地がいい」
最近、その言葉を思い出す。

また、先日はある人が「またさ、はじめましてからやり直すのはしんどいよね」
なるほど。。。

最近はこの二人の言葉が時々頭にちらつく。


確かになって今年、身をもって久しぶりに感じたことである。
でも、それでも前の職場を退職したことを何故かあまり後悔してない。

いまは7日間。あと7回。
これを乗り越えるだけである。


もう、そういうものだと思う。
死に物狂いでなんて微塵も思わない。
責任感なしとののしられてもいい。
能無しといわれていい。


すべてそうなのだから。