国民性の違い?日本が後手になる理由
みなさまこんにちは。 日本のがん医療の問題をはじめ、少々腑に落ちない部分を、あれやこれやと突っついているこのSUNROOMですが、今回は、日本とアメリカでは、一般市民パワーも大きく違う・・・ということを、ご紹介したいと思います。 Lance Armstrong Foundation HomePageより Past Action ResultsIn response to an LAF advocacy alert, survivors and others sent more than 48,000 messages to Congress in support of fully funding cancer research and other health and education programs.Due in part to these efforts, on Thursday, March 16, the United States Senate voted 73 to 27 in favor of the Specter-Harkin amendment to the Senate budget resolution. The amendment restores $7 billion in funding for education and health programs, much of which will go to funding critical medical research and public health programs at NIH and the CDC.(© Copyright Lance Armstrong Foundation) 【訳】LAF(ランス・アームストロング財団)の緊急提言に応えて、患者と患者以外の方々が、 がんの調査研究およびその他の健康や教育のプログラムに関する充分な対策費を擁護 するために、議会に対し、48,000以上もの意見を送った。 こういった働きかけのおかげもあり、3月16日(木)、米国上院は、スペクター・ホーキン の修正案を支持、米国予算決議として73:27で可決した。修正案は、教育および、 NIH(国立衛生研究所)やCDC(疾病対策センター)における正確な医学的調査研究や 公的健康プログラムのための充分な資金となる、70億ドルの予算を復活させる。 日本語訳は、私が訳したので、ちょっとおかしいかもしれませんが、大筋では合っていると思います・・・(;^。^A まあ要するに、70億ドルもの予算が、一回はだめになったものの、それを擁護する意見が、患者をはじめとする一般市民から、48000通以上も送られて、73:27で圧勝する結果となった・・・ということですね。 すごいことですね、このパワー。 70億ドルですよ・・・! 日本円にして、(1ドル120円として)8400億円!!! 市民の意見書も、48000通以上っていうんですから・・・。 う~~~ん、桁違い・・・。 日本の人口になおして考えても、24000通以上の意見書なんて、ありえない数字ではないかと思います・・・。 みんな、自分のこととして、議会に対してもしっかり意見を送る・・・という姿勢が出来ているのですね。 日本では、ちょっと昔までは、自分のことで大騒ぎするのは、美徳に反していた・・・という感じがありますよね。 自分の窮状を人には言わないのが偉い、ということで、黙って耐え、まわりの人間が、むしろそれを察して助ける・・・というのが、根本でした。 国民は、皆、勤勉で努力家で、和を乱さないように、自分の権利のことなんて、叫ばないものでした・・・。権利を叫ぶ前に、自己の責務と言うか、義務を果たす・・・。 私の昭和一桁生まれの父も母も、日本のそういう美徳を誇りに思って、マイホーム主義とか、権利主張に関しては、非常に冷ややかな目で見ていました。 そのころのシステムは、それはそれで、いい部分もたくさんあっただろうと思います。 でも、時代は変わってしまいました・・・。 思いやりとか、自分の使命とか、そういうものは、今でも大切だし、損得を度外視して、そういうものを優先するべき、というのは、時代が変わろうが、国が変わろうが、普遍的なものだと思います。 でも、この20年ぐらいの、日本の社会の流れを見ていると、善意を待っていても、改善は期待できない世の中に、なってしまいました。 社会の多様な価値観を受け入れてきた結果、言ったモン勝ちや、開き直りが堂々とまかり通り、礼儀とか、公と私の区別とか、思いやりとか・・・・そういうものに期待するのは、限界となってしまいました。 こうなってくると、自分に関わることは、すべて自分で責任を取らなくてはなりません。 今の日本の社会を見ていると、日本のこれまでの美徳の部分は消え去っているのに、何かをしてもらうまで待っている、という部分だけは健在なように見えます。また、欧米の個人主義を曲解して、ただの自己中心になっている部分も、多く見受けられます。 欧米の個人主義は、個人個人の権利を認めるものですから、自分に権利があるように、他人にも権利がある、という考えに基づいています。 そして、権利を主張するものには、義務と責任がある、とも考えているのではないでしょうか。 『自分は、税金を払っているのだから、その税金の使い方には、意見を言う権利があり、また、それがどう使われているのか、監視する義務と責任がある。 自分が投票した議員が、どんなことを行っているのか、それをチェック・監視する義務と責任があり、自分自身が、その人に対して、意見を述べる権利もある。』 私の所属する患者会の初代会長さんは、アメリカに行ったときに、現地の女性にそんなことをいわれたそうです。 なんだか、話がまたそれましたが・・・・。 医療のことは、結局、自分にも降りかかる大きな問題のはずです。 アメリカの一般人に負けないくらい、日本の市民パワーも、健全に、強くなるといいな、と思います。 とりあえず、SUNROOMの読者の皆さんは、ご意見募集のメールには、賛同してくださるので、とても嬉しく、心強く思っています。 少なくとも、ここ30年ぐらい、非常に後手に回っている政府を見ている限り、国民が声を上げない限り、この体質は変わらないだろうと思います。 みんなで声を出し、がん対策法を成立させましょう! 今年こそ、がん対策予算をたっぷり勝ち取りましょう!!