成功までのプロセス

オールドコーヒーと呼ばれるものがある。コーヒーの生豆を寝かせて熟成(？)させたものだ。
常温で除湿だけした倉庫で何年も保管するそうで、日本独特のものらしい。
ローストや抽出は普通にやっているようで、生豆が古いこと以外に違いは無い。

今日から、新シリーズの珈琲研究家による珈琲店巡りの始まりです。
珈琲研究家って誰かって、supermakこと私です。無職というのに抵抗があるので
勝手に名乗ります。言ったもん勝ちです。人格変わってるよって誰か突っ込んで下さい。

銀座にある老舗の有名珈琲店Ｒへオールドコーヒーというものを経験するために行った。

妻と二人で行ったが、雨の中さすがにすいていた。小さなテーブル席とカウンターがあったが
カウンター席に座った。照明を控えめにした店内は非常に落ち着いた雰囲気がある。
居心地のいいバーに来たような気持ちになる。しかしここはコーヒーだけの店だ。

２代目らしい店主がメニューをカウンターに置いてくれた。オールドコーヒーを
飲みに来た旨を告げると、お勧めを３種類ほどあげてくれたので、その中から
1982年のキブ（旧ザイール、現コンゴ民主共和国）と1970年のコロンビアを注文した。
好みの濃さも聞かれた。濃さは店によって違うので迷いながらも「少し濃い目が好きです」
と伝えると、「じゃぁ、濃厚で行きましょう！」ということで濃厚に決定した。

丁寧なネルドリップでまずコロンビアができた。小さく取っ手の無いオリジナルの
デミタスカップは美しい。まず、香りは枯れ草のような印象を持った。
飲んでみると、非常に酸味が強い、というか酸っぱいというレベルだ。
枯れ草を燻したような臭いと酸味に驚いた。次にキブが同じ器で出てきた。
こちらも酸味は強いが、酸っぱいというレベルではない。やはり枯れ草と煙の臭いが
口から鼻に広がり、そこに油のすえたような味が混じる。量は少なく５０ｃｃ程度。
しかし、価格はどちらも８４０円。私たち二人にはうまいとは思えなかった。
念のために、「オールドでない普通のコーヒーでのお勧めは？」と聞くと
どんな味が好みかを聞かれ、バランスが取れた味でコクのあるアフリカ系が好み
と伝えるとニカラグアを勧められた。それを注文すると同じ器で今度は取ってつきだ。
今度は枯れ草の臭いは無かったが、煙の味とにおいがあったので納得した。
ここはローストするときにコーヒーを燻しているみたいだ。これは７９０円。
これも私たちの評価は高くない。すべて濃厚に淹れたものなので特徴も強調されて
はっきりした癖になったことは差し引く必要はあるかもしれない。

私たち二人の感想は、味も香りも、とても飲めるものではないということで一致した。
読んだ本では２冊の否定的な意見と１冊の肯定的な意見があったので自分で確認
して、オールドコーヒーなるものへの評価をしたかった。目的は果たした。