|
カテゴリ:ホントにあった奇妙な話
魚の目をご存知だろうか?足の裏に出来るイボのようなものだ。
イボコロリの宣伝を見たことがあれば名前くらいは知っていると思う。 その魚の目に関する不思議な話。 実際魚の目を見たことがあるだろうか?ホントにサカナの目に似ていると思う。 外周の皮がサカナの白目のように白く盛り上がっている。内側は実は黒くは無い。皮膚が少しささくれ立っていて、所々黒い点がある。月のクレーターみたいな感じだ。 人によっては結構痛いらしい。憂兎は全く痛いとは感じなかったけど。 憂兎は魚の目が出来やすい体質らしく、かなり小さい頃からコレに悩まされていた。 幼稚園児の時、全身麻酔の手術をして抉り取ったくらいだ。 痛くも無いデカイ魚の目をわざわざ全身麻酔で取った奴なんてきっと私くらいなものだろう。子供心にも大げさだと感じていた。 そんな大げさな手術をしたにもかかわらず、デカイ魚の目は再び同じ所に生えてきた。 イボコロリもまったく効かなかった。毎晩のようにイボコロリを塗る日々が何年も続いていた。 幾つだったかは憶えていないが母親が出て行った後のこと。 小学生の時、祖父が家に遊びに来て何日か泊まっていった。 血が繋がっていない祖父だったにもかかわらずよく遊んでくれたし、優しかった。 一緒に遊んでいた時、祖父が私の魚の目に気づいた。 「どうしたんだ、これ」 「うおのめ~。小さい時からずっとあるよ」 「…わしが死んだらコレ持っていったるでな」と、魚の目をつつきながら言った。 「ふ~ん」そんなこと出来る訳が無い。が、祖父の気持ちがうれしかったので余計な突っ込みはしなかったし、すぐ忘れてしまった。 それから一年も経ってなかったと思うが祖父が亡くなった。 親戚の中で唯一人優しかった人が亡くなってかなりショックだった。 葬儀が終わってからふと、あの約束を思い出した。 靴下を脱いでみた。足の裏に、魚の目は無かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年10月20日 21時53分28秒
コメント(0) | コメントを書く |
|