本日渡辺竜王が郷田棋王を破って新棋王に。157手の激戦で、郷田棋王が順位戦に続き受けきるかに見えたけど、結局渡辺竜王が攻めきった。これでタイトルは森内名人、渡辺三冠、羽生三冠となった。
3月18日の日記で書いたけど、4月から始まる名人戦で羽生三冠が名人位を奪取すれば来年度は羽生四冠と渡辺三冠の二強時代となり、翌年度の名人戦は頂上対決になる可能性が高い。コンピューターとプロ棋士の対決も新聞のアクセスランキングで結構上に来ているものもあり、将棋の注目度が上がりそう。2006年に新四段になった糸谷六段は昇段のお披露目挨拶で将棋界を「斜陽産業」と言っていたけど、最近は巻き返しの機運がある。大山升田、中原米長(あるいは加藤)、谷川羽生、羽生世代間の様に、強いライバル同士の戦いは世間の耳目を集めるものだ。
ちなみに、羽生三冠が七冠を達成したのは26歳の時。渡辺三冠は現在28歳。棋力のピークはこの辺の年頃なんだね。若過ぎると手は瞬間的に見えるけど経験がない分誤りも多い。一方年をとると瞬間的には手が見えなくなる。これは脳の老化もあるし、多くの経験を積んだが故に判断材料が増えたという部分もあると思う。羽生三冠は能力的ピークは過ぎているとしても本年度も最多対局最多勝利を挙げているし、渡辺三冠のピークはあと10年近くはあるだろうから、これから数年は羽生渡辺時代だろう。広瀬、豊島、中村太地辺りを筆頭に、若手がどれだけそこに食い込めるか非常に面白い。
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