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カテゴリ:将棋
ソフトに勝てるとしたらここだろうという船江五段が破れてしまった。鈴木八段の解説は面白くて盛り上がったけど、形勢判断は微妙なので、棋譜をもう一度見てみないとなんともわからない。ただソフトの評価値からしても、中盤では人間側が有利だった。私はあそこから勝てるとは思えないけど、多少有利という点は同意できる。ところが、そこからソフトはめげない。人間なら心が折れてしまう戦況でも、最善を尽くす。龍が敵陣に入ったのが疑問手だったのか(たぶん自陣に歩を打ったのでと金攻めができない点を考慮して、ソフト自体は形勢を悲観していたようだけど)、手番がソフトに廻ってからはなんだかんだ攻められて、184手の大激戦になってしまい、最後は人間が力尽きた。トイレも急いで行ったりしてかなり頑張っていたけど、形勢が不利に傾いたのは時間に追われた頃からという点からも、最後は時間と体力負けという感じ。塚田九段は事後の記者会見で「4時間は少ない」と改めて自説を披露したが、順位戦の様に6時間制になれば深夜の戦いになり、そうなればミスするのは人間だろうから、一概に時間が長ければ良いとは言えないだろう。
渡辺竜王がブログで「若手の中でも上位に位置する船江五段にも勝ったことから現役棋士約160人の半分(80)、いや3分の1以上(50)に相当する力がある、という見方をせざるを得ないと思います。」と記しているが、確かにこの条件だと既にそのレベルということだろう。 但し、今回の戦いは居玉だった。中盤で囲いをリフォームしたけど、強い囲いとは言えない。ソフトの強襲を考えても、あまり得策な作戦ではないのかもしれない。前局の佐藤四段も「なんでも受ける」という指し方だったし、本格的にソフトを警戒して戦っているという感じはしない。前回も書いたけど、ソフトと戦う以上は対ソフトを意識した戦い方でないと勝てないと思う。ソフトの真の力量を試すという意味では第2戦第3戦と大いに意味があったけど、負けてはならない戦いという意味ではプロ棋士側に甘さがなかったとは言えない気がする。超手数の頑張りで感動したけど、正直言って1勝4敗の可能性が近づいたのは憂鬱だ。 あと、来場者が先々週は28万、先週は45万に対し、今週は42万くらいだった。第一戦の人間側勝利でイベントが盛り上がり先週の来場者が激増したけど、先週人間側が負けたのでイベントの価値が落ちたせいか今週は若干減ってしまった。ニコニコ動画はテレビCMまで打っていたのにね。来週はもっと落ちちゃうかな… ニュースバリューが落ちたと判断したのかNHKも報じないし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.04.06 23:24:11
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